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 柿喰う客・第13回公演 『 俺を縛れ! 』 ( 作・演出:中屋敷法仁/2008年6月18日~30日/@王子小劇場


 若手劇団「柿喰う客」の中でも『女体三部作』と並んで最高レベルに入る作品。とってもとってもおもしろかった。

 江戸時代の将軍家(とその周りの家々)が舞台。

 大枠に、他者から圧しつけられた“キャラ”に縛られた現代人の窮屈さ・滑稽さへの眼差しがある。

 そして、圧巻なほど多種多様で多彩な発想から繰り出される滅茶苦茶おもしろい個々のセリフや動きや演出によってそれが紡がれていく。

 本作は、柿喰う客の持ち味が洗練されきった観がある。(逆に言えば、分かりやすくなりすぎているという見方もできるかもしれないけど。)

 すばらしい。


 さて、書くことないから、いくつか細かいこと・本題とは関係ないことについて余談を。

 まず、複雑なものを理解できない単細胞な輩や、社会の仕組みや世の中の出来事に疎い愚かな輩には、洗練されている今作でも、せいぜい6割程度(他の作品なら5割を切る程度)しか分からないだろう、という(我ながら嫌味ったらしい)結論を確信するに至った。

 それから、制作関係(?)の話だけど、3時間の最初から最後まで止まることなく冷房の強風が出続けて(当たり続けて)て、さみぃよボケ。節々は痛くなったけど風邪を引かなかったのが、(個人的には)不幸中の幸い。

 それから、公演後のトークショー的な時間にゲストで壇上に上がったどっかのおばさんに関してだけど、(客席にいた)関係者との間で話したりしてて、つまんねぇよ。全体に向かって話すことくらい演劇やってる人間なら感じろよ。
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 神田時来組プロデュース公演 『 志士たち 』 ( 作・演出:泉堅太郎/出演:泉堅太郎、保田圭ほか/2008年6月11日~15日/@シアターサンモール


 高杉晋作を中心に、そのあたりの時代に活躍した人たち(吉田松陰、桂小五郎、新撰組、勝海舟など)を包括的に描いた歴史芝居。

 一応、主役は高杉晋作ではあるけれど、あくまで「一応」にすぎず、タイトルの通り、当時活躍した色々な人たちが出てくる。

 そのためか、全体的に内容が薄くなってしまっている印象を持った。

 まさに、(この劇団の)前作の坂本龍馬の芝居の凝集性とは対照的に。

 観てから1週間以上経つとはいえ、すでに、これと言って特に印象に残ってることが見あたらないのが象徴的・・・。

 尊皇攘夷とか倒幕とかの話だったんだけど・・・。


 そんなわけで、(かっこいいはずの志士たちの)人物描写も、笑いも、ストーリーも、何もかも中途半端だった。
 

 阿佐ヶ谷スパイダースpresents 『 失われた時間を求めて 』 作・演出:長塚圭史/出演:長塚圭史、伊達暁、中山祐一朗、奥菜恵/2008年5月8日~27日/@ベニサン・ピット
 
 
 夜のように暗く、なんとも閉鎖的な、公園のような空間で、不可思議な4人によって、静かに繰り広げられる、不可思議な人間模様からなる、芝居。

 いわゆる、不条理劇。

 なんだけど、そこで相対化されるのは、時間、記憶、価値基準、会話など・・・・。

 そんなものが相対的(あるいは、主観的)であることくらい、(難しい哲学者たちの名前を出すまでもなく、)誰でも知ってる。

 例えば、楽しい時間はあっという間で、つまらない時間はいつまで経っても終わらないこと(つまり、時間が相対的であること)くらい、小学生でも知ってる。高校生にもなればかなり自覚的に知ってる。あるいは、人間同士が100%意思疎通・相互理解することが不可能であることくらい、大学生か遅くとも社会人になれば誰でも強烈な実感を伴って思い知らされる。過去の記憶が一定で平坦でないことくらい誰でも知るまでもなく知ってる。等々。

 なのに、こんな程度のものを、大の大人たちが、さも高踏な哲学的なもののようにやるなんて、つまらないに止まらず、恥ずかしい。

 いったい、あんたたちはどんだけ悩みのない独り善がりな生を送ってきたんだ。

 なんでもありのポストモダンな世の中で、いったい、今さら何をやってるんだ。

 思うに、時代は、半周先に進んでいる。

 今問われるべきは全く反対の問いだ。
 
 
 果たして、今の世の中で絶対的なものって何だろう――?
 
 
 あるいは、ちょっぴり具体的に言い換えるなら、あんたたちが軸・核心に据え(られ)るものっていったい何だろう――?
 
 
 これを、“説得的に”示せてこそ、意味のある芝居(芸術作品)だと認められる。( もちろん、これが全てではないけど、今回の芝居が挑んだ土俵においてはこれが重要な基準になる。)
 
 
 (不条理劇だから)ストーリーもなかったけど、他にも何もない芝居だった。( 作った人たちの浅薄で陳腐な実存以外。)


 バナナ学園純情乙女組・ヤリ逃げ公演 『 アタシだけ怒られた 』 ( 脚本:中屋敷法仁/演出:二階堂瞳子/2008年5月2日~5日/@桜美林大学徳望館小劇場 )
 
 
 「柿喰う客」主宰の中屋敷法仁が脚本を書き、それを学生(を中心とする人たち)が演出し演じた芝居。

 放課後の教室でだべってる(頭が悪くて、まだお互いぎこちない)女子高生たちを2時間ほど見せられた感じ。( 実際は部室の中学生たちだけど。)

 テンポは悪いし、脱線ばかりで話は進まないし、一言 or 一場面ずつが切れてて会話 or 一つの作品として成立してないし、内容はここの「あらすじ」で述べられてる以上のものは(ほとんど)ないし、それぞれが色々勝手にボケても突っ込みが下手でボケが生かされないし、そもそもボケもありきたりすぎたり荒っぽかったりしつこかったり・・・・。(どれも全てがというわけではないにしても。)

 ともかく、散漫で密度が薄い。

 (一つの作品としての)凝集性が全くない。

 色々詰め込みすぎて全体としても個々としてもつまらなくなってしまったのかもしれない。あるいは、木を見て森を見ず、だったのかもしれない。( これはラノベ的な“キャラ萌え”を楽しめる人にとっては別にいいのかもしれないけど・・・。) あるいは、演出家のまじめな側面と壊れキャラ的な側面(と柿喰う客の呪縛と?)が中途半端に作用しあってどっちつかずになってしまったのかもしれない。
 
 
 が、結局、何がしたかったんだろう?と思ってしまう。
 
 
 
 ところで、ここから先は余談だけど、自分は、「特別公演」の回である4日の15時半からの公演を観る予定だったのに、降りるべきバス停で降りないという失態をやらかし、開演時間に間に合わなくなり、次の19時からの回を観ることになってしまった。

 その問題点1。15時半の回を観ると伝えて、終演後に挨拶する予定だった女の子を待ちぼうけさせてしまったこと。何してんだか・・・。慙愧に耐えない・・・。申し訳さなすぎる・・・。しかも、こういうの、(別の子ではあるけど)これで前科2犯目だったりする・・・。

 その問題点2。(観るはずだった)「特別公演」のお楽しみとして、終演後に、出演者たちによるアキバ系のライブをやったみたいなんだけど、3曲(?)あるうちの1曲はアキバ系の二次元(=アニメ)の代表、『ハレ晴れユカイ』(ハルヒダンス)。これは誰でも知ってる(べき)。そして、残りの2曲はアキバ系の三次元(=アイドル)ということで、ちょっとマイナーなこれ(youtube動画)とこれ(youtube動画)なんだけど・・・・、これ、どっちも知ってるーっ!!! ていうか、かなりよく知ってるーっ!!! ああー、これは行かなければいけなかったなぁ・・・・。行くのが義務でさえあったなぁ・・・・。これ、その場にいていきなりこんな曲が流れてきたら、卒倒してたかもしれないなぁ・・・・。卒倒できるほど楽しいことなんてめったにないだろうに・・・・。あー・・・・。それにしても、ちょう楽しそぅ・・・・。

 それにしても、こんなアキバ系の歌だの踊りだのをせっかく覚えて( 特に菊池佳南と二階堂瞳子の2人の踊りは軸がぶれなくてうまい。この2人は演技でも存在感があって良かった。)、アキバで(ハルヒの)動画まで撮ったりしてるのに、これらが本編と(ほとんど)何も関係ないというのはどうなんだろう・・・。何かしら生かせば良かったのに。資源の有効活用にもなるわけだし。( 生で見れなかったひがみで言ってるわけではない、ときっと思う。)

 ところで、この「アキバでの(ハルヒの)動画」、途中、郵便ポストの上に乗って踊ってるシーンが出てくるんだけど、皆が使うものに土足で乗っかるというのは、不快。( 数十万人いる郵政公社の職員たちにとってはより一層不快だろう。) 他に使う人がいそうもない電話ボックスの中でちょっと撮ったりというくらいなら(迷惑云々言い出す人はいるだろうけど実際迷惑をかけてないわけだから)問題ないと思うけど、(必然性もないのに)ポストに乗るというのは、公の場を利用させてもらうにしては悪ノリがすぎる。というか、こういう見た人がどういう感情や思考を催すかというのを考えるのは、芸術に関わる人なら習慣的に持っているべき振る舞いだと思うんだけど。

 と、まあ、ともかく、この余談の要点は、返す返すも特別公演に行けなかったのが、悔やまれる/懺悔すべしということ。

 ちなみに、バス停で降りすごすなんていう失態がどういう(自分の大きな愚かさ以外の)メカニズムで起こったかというと、ここの行き方の説明文中の 市バス淵野辺駅北口バスロータリーから1番乗り場、小山田桜台行、町田バスセンター行、神奈中多摩車庫行、にご乗車になり、桜美林学園でお降り下さい というのを読んで、それに従って、淵野辺駅北口の市バス1番乗り場で町田バスセンター行〈忠生高校経由〉というバスに乗り、「桜美林学園」に着くのを待っていたらいつまで経っても着かず、町田駅近くに行きそうな雰囲気がしてきておそらく間違っていたらしいことに気づいて降りて引き返したけど時すでに遅しだった、という次第。どうやら町田バスセンター行でも、忠生高校経由の場合は「矢部八幡前」というところで降りなければならず、桜美林学園前・根岸だったなら「桜美林学園前」に行ったらしい。ドンマイっ。

 みんなで怒られればけっこう清々(すがすが)しかったりするものだ。

 柿喰う客・フランス(からの凱旋)公演 『 恋人としては無理 』 ( 作・演出:中屋敷法仁/2008年4月13日/@ギャラリーSite )
 
 
 若手注目劇団「柿喰う客」がフランスの学生演劇祭で(日本語で)演じてきた作品の、一日限定での日本お披露目。( 演劇は言葉の分からない人たちの前で演じたって“大した”意味があるとは思えないけど。)

 キリスト教の十二使徒たちの俗っぽい人間模様をコミカルに描いている。

 メガネをかけたら誰、新聞を持ったら誰という風にして、全身真っ黒の服を着て顔だけ出してる5人の出演者が、13人(十二使徒とピラト)のどの登場人物をも適当に次々と演じていくというスピード感のある演出はおもしろい。役者たちもそのスピードに付いていって見事に演じ分けていた。

 けど、話としては十二使徒を普通の凡人にして適当にキャラ付けし、“愛”をただの“恋愛”と読み換えただけの、至って平凡な面白味のないもの。話の展開もないし。イエスを登場させないでその言葉を勝手に解釈するというのもありきたりすぎるし。

 そんなわけで、最初は演出の斬新さ・おもしろさで楽しめていたけど、途中からはただただ退屈なだけ。(ちょこちょこギャグとかネタにニヤリとする程度。)

 そしたら、最後の最後になって、いきなりトム・ハンクスとレオナルド・ダ・ヴィンチが出てきて一転、救われた。

 けど、時すでに遅し。やはり全体としては退屈で密度が薄い印象の方が強い。

 そんなわけで、あまりおもしろくなかった。

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