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by ST25
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 しばいのキングモンキー再生公演 『地球の思い出・・・。』 ( 脚本:笠井健夫/演出:岩尾万太郎/2009年2月11日~15日/@中野ザ・ポケット )


 ひと月ほど前に観た芝居。

 細かいところはかなり記憶が消えてしまった。

 だから大雑把に言うと、科学の進歩とか豊かな生活に疑義を唱える終わりの方は、4,50年前かと思うくらい古臭くて陳腐で世間知らずでホント救いようがないけど、その他のところはちょっとシュールな笑いをふんだんに取り入れた軽いコメディといった感じでおもしろかった。 話の展開もけっこう先を読ませない感じだったし。


 それで、一応言っておくと、科学の進歩とか経済発展とかが嫌な人は、すぐさま自分がお菓子とかデザートとかを買うお金、おしゃれに使うお金等々を、日々の食べ物さえ得られない10億人近くの人々に寄付しなさい。 そして、お望みの、ちょっと貧しい生活をすぐさま始めなさい。

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 「4×1 project Play #2」 『月並みなはなし/ソヴァージュばあさん』 ▼『月並みなはなし』 脚本:黒澤世莉、演出:中屋敷法仁▼『ソヴァージュばあさん』 原作:モーパッサン、脚本:谷賢一、演出:黒澤世莉2009年1月23~30日/@新宿シアター・ミラクル


 短めの作品2本立ての芝居。


 まず『月並みなはなし』

 (けっこうスピーディな)同じ動き、同じ台詞を同時に右半分と左半分の2ヵ所(2グループ)で演じ、たまにずらしたり、2つが1つに混じりあったりという演出は独創的だと思うし、それを見事に演じきっていた役者たちの力量はすごいと思った。

 だけど、(正直言うと、)おもしろくはなかった。

 タイトルが「つきなみなはなし」だから、ということでもないのだろうけど、話におもしろみがなかった。

 月に行きたいいろんな人がいるだけ。 その状態が発展したり深まっていったりしないのだ。 最後のオチもなんだかなぁという感じだし。

 そんなわけで、演者たちの動きと動かせ方だけで楽しませるストリートパフォーマンスを観てるみたいな、そんな印象を持った。


 それから『ソヴァージュばあさん』

 ヨーロッパの片田舎の一軒の民家を舞台にした、『月並みなはなし』とは打って変わって少人数(4人)での静かな作品。

 こちらは「ソヴァージュばあさん」役の菊池美里の名演に尽きる。

 もはや人生に大きな希望や喜びをもつことを止め、諦念の中で静かに淡々と生きる( ているつもりだった )おばあさん。 そして、そんなおばあさんの自分でも処理しきれないような感情の昂りと困惑、そして、破滅的な自己主張。

 そんなことがよく表現されていた。

 男性3人は、昔のヨーロッパの軍人っぽくなく、“夏休みに避暑地に遊びに来ている現代の日本の学生たち”に見えた。 「具象」だの「ギムナジウム」だのといった使い慣れない言葉を持て余してる感じもしたし。



 それにしても、話は飛ぶけど、(何回行っても)小劇場に行くたびに感じるアウェイ感が今回はいつも以上に強かったのはなんでだろう??? 眠かったからだろうか??? よくわからない。
 バナナ学園純情乙女組・第3回~罰当たり公演~ 『 アイツなら哀しくないわ 』 ( 脚本:中屋敷法仁/演出:二階堂瞳子/2008年11月26日~12月2日/@阿佐ヶ谷ART THEATER かもめ座 )


 「柿喰う客」の中屋敷法仁が脚本を提供し続けている劇団の第3回の公演。

 修学旅行の説明会を前にして繰り広げられる、中学校内の2つのグループ間の対立と様々な人間模様。

 では一応あるのだけど、実体は、やたら濃いキャラの登場人物たちによるワンマンショー。 そして、たまに繰り出される華麗な振りつきの全体合唱で一体感が保たれる。

 個性的でバラバラなキャラたちを“ストーリーによって”まとめることができていないところは「柿喰う客」には及ばないけれど、全体合唱が以前よりふんだんに取り入れられ、一つの作品としてのまとまりは作れるようになっていた。 (全体合唱は流れが単調になるのも防いでいた。)

 ストーリーもほとんどないとはいえ、最後の方では、修学旅行に行くとほぼみんなが死ぬ理由が明かされたり、裏切り者がいることが分かったり、純粋に青春を謳歌したいバカな不良がいたりと、そこそこ展開もあり、楽しめた。


 今まで(観たの)は、中屋敷脚本とはいえ、「柿喰う客」の作風から無理やり遠ざけようとしているようなぎこちなさがあったのだけど、今回は「柿喰う客」っぽさが比較的前面に出ているように感じた。

 それでも、今回初めて作品としてのまとまりが出て、個性はこれから手探りで少しずつ出していく(出てくる)のだろう。

 そんなわけで、とりあえず、この劇団の出発点となる作品。 (いや、もちろん、演技のレベルとか、言い出せばきりがないんだけど、今回の作品を観て一番感じたのが上記のようなことだった、ということ。)

 U.S.BLUNCH THEATER プロデュースvol.1 『 ノミネーション・プリーズ!! 』 ( 作・演出:海原/出演:久保亜沙香、内山眞人ほか/2008年8月9日~10日/@大井町きゅりあん・小ホール


 キャバクラ嬢を中心に、キャバクラでの人間模様を描いた芝居。

 個々の役で見ればなかなか魅力的な人(亜美、小林さん、店長(特に声)など)もいたけど、話(脚本)が酷すぎる。

 夜の商売してる人もそれぞれの人生を背負って懸命に生きてるんだ!(だから、かわいそうなんだ!)というのを、ものすごく幼稚かつ強引かつ同情的に描こうとしている。

 「だから、かわいそうなんだ!」というところが、同情的。

 夜の商売してる人への初歩的な偏見から抜け出したばかりの段階であるところが、幼稚。

 その正しさを他の要素を省みずに訴えようとしているところが、強引。

 そんなわけで、メインのストーリーやメッセージを負っているヒロインは存在感もなく微妙な感じだった。


 普通に色々な作品(テレビドラマ、映画、芝居、小説、ノンフィクションなど)に触れながら成長してくるだけで、今回のみたいな内容が浅はかだということは、さすがに気づくような気がするんだけど、そうでもないのだろうか・・・。
 バナナ学園純情乙女組・出戻り公演 『 アンタも喜びなさいよ 』 ( 脚本:中屋敷法仁/演出:二階堂瞳子/2008年7月13日~15日、19日~20日/@桜美林大学徳望館小劇場 、pit北/区域 )


 「柿喰う客」主宰の中屋敷法仁が脚本を書き、それを学生(を中心とする人たち)が演出し演じる芝居の第2弾。

 行けるかどうか、行こうかどうか、20日当日の朝起きるまで決まらず、結局、朝起きて行くことを決めてパパッと行ってササッと帰ってきた。(とはいえ、終演後の特別ステージまで見てきたけど。)

 で、芝居。

 つまらない。

 ひどい。

 ダメなところは基本的に前回と同じ。

 なんだか、ただ単に、「普通」からずれた意味不明な脈絡のないことを適当にやってるだけ。一つの作品としてのまとまり皆無。基本的には、一つ一つの場面や動作や言葉の全てには何らかの意味があるべきなんだけど、それとは全く逆の状態が2時間(!)の間ずっと続く。(ほんの少しの例外=話が進むときを除いて。)

 まあ、そんな無意味で退屈な芝居だったからこそ、逆に、芝居のメインの話とは別次元にいるみたいだったブルマ姿のシュールな女の子が活きた、というのはあるんだろうけど・・・。
 
 
 さて、その他に大変に気になったことについていくつか。

 観られる側による「観に来い」みたいな言い方が、使い方や使ってる人など色々な要因によって何の問題もなくなることがあることは十分に分かっているけど、それにしても、ここの観に来いは、広い冷静な視野を持てなくなって出てしまっただけの、ただの傲慢にしか見えない。

 開演前に「アンタも喜びなさいよ!」と怖いどなり声で言われると、ただ単に怖くて、イヤな感じ。 (あれは何がしたかっただんろうか? 観に来てる人たちに何を感じてほしかったんだろうか? 恐縮させたかったのだろうか? 気分が悪い。)

 脚本が全部揃ったのが本番前日ということを前回に引き続き書いてるけど、同じ言い訳は2度は通じない。(多少は情状酌量の余地あり、ではあるにしても。)

 上のリンクと同じ終演後の(演出の人のブログの)記事で、(作品の)勝ちを自分で勝手に定義してるけど、「勝ち/負け」を定義して判断するのは、本当に言うまでもなく、観る側であって、作る側では断じてない。


 といったようなことは、全て、この劇団が、「自分たちが楽しいことは観る人も楽しいだろう」くらいの甘っちょろいふわふわしたなんとなくの感覚や見込みでやってることに由来する、と思われる。

 「自分たちにとって楽しいこと」が即「観てる人たちの楽しいこと」につながるのは一部の天才たちだけだ。

 一言で言えば、自己満。

 そして、ダメなところは自分たちの「外」のせいにする。

 一言で言えば、内輪(ウチワ)。

 こういう素人臭・ガキ臭全開なベタなダメさ、気持ち悪さを、この演出をやってる人は若くして重々承知してる人で、期待できると思ってたんだけど・・・。


 個人的には、この劇団の中では、二階堂瞳子と菊地佳南による60分くらいの中身の詰まった2人芝居(か例のブルマの「菊地さん」を入れた3人芝居)が観てみたい、と思った。
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