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by ST25
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 高野栄治 『図解入門 よくわかる中学数学の基本と仕組み (秀和システム、2006年)
 
 
 中学数学の初歩を相当シンプルに解説している本。一度習得したはずだけど忘れてしまっただけのものを思い出すのにはちょうど良い。(覚えてるところを飛ばし読むのが楽。) 演習問題も各内容ごとに2問ずつ付いている。

 構成は、「数と式」「方程式」「関数とグラフ」「平面図形」「図形の計量」「確率」の6つ(と応用問題を集めた章)から成っている。随分簡単にまとめられているけど、実際の中学数学で勉強することから過不足があるのかどうかは分からない。

 三角形の「合同条件」・「相似条件」なんてすっかり忘れていた。(「3辺がそれぞれ等しい」とか。)

 2次関数の曲線とある点で接している直線(接線)の方程式を求める公式なんて習った記憶がないんだけど・・・。(Y=aX2乗と点(x,ax2乗)で接する直線の方程式はY=2axX-ax2乗。)
 
 
 中学数学は(も?)基本の暗記と解答パターンの認知ですな。

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※ 日々感じたこと考えたことを本記事とは別に、この記事の一番上に足していく形で不定期に書き連ねていきます。

☆★☆★☆★☆★☆

4月30日
・ 今朝の読売新聞の政治面に、増山とかいう政治学者の暫定税率云々についてのコメントが載ってた。その一部を引用。
  批判されるべきは、時間切れで税率廃止という「立法行為」を行わせた参院と野党だろう。/野党の政局一本やりという戦略も、分からなくはないが、やみくもに政治を不安定化させる権力闘争は国民のためになるのだろうか。
 この人が自民党支持なのはよく分かるんだけど、学者なら個人的な感情は排除するべきでしょう。ていうか、この人はそういう普遍的な政治学を目指そうとしてる人でしょうに。情けない。「やみくも」とか「国民のため」とか何とでも解釈できる言葉は、学部一年生でさえ使っちゃいけないって分かるでしょうに。前半の手続き論的主張とか後半の「権力闘争」批判とか、実質にこだわるこの人の学問的主張の反対じゃないかよ。まったく。

4月26日
・ 今日からゴールデンウィーク。関係ありそうで全く関係なくふと思ったんだけど、長崎に行ったことがないというのは、何と言うか、ちょっともったいない感じがする。てなことを思いつつ、今まで(ただ通っただけとかいうのは抜かして)行ったことのある都道府県を数えたら、24だった。関東は全部制覇。九州、四国は全滅。別に47全てに行こうとは思わないけど、日本の政治経済社会について語るにしても色々なものを読んだり見たりするにも、実際に見たことあるものだとイメージが豊かになるのは間違いないだろうとは思う。(そうなってない人も多くてなんだかなぁという感じがすることも多いけど。)

4月24日
・ 国会議員の方たち、今度はネット規制だって。高市さなえとかが進めてる青少年ネット規制の法案。見て、笑ったね。

個人も含む全てのウェブサイトの管理者は、上記の有害コンテンツの基準に合致した場合、サイトを丸ごと未成年が入れない会員制にするか、フィルタリングソフトへ自らのサイトをフィルタ対象として申請することなどが、求められます。 こちらの方のサイトより)

 で、「有害コンテンツの基準(定義)」として法案に書かれるのはこれ。

 1. 青少年に対し性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼすもの
 2. 青少年に対し著しく残虐性を助長するもの
 3. 青少年に対し著しく犯罪、自殺又は売春等を誘発するもの
 4. 青少年に対し著しく自らの心身の健康を害する行為を誘発するもの
 5. 青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの
 6. 青少年の非行又は児童買春等の犯罪を著しく誘発するもの ライブドアニュースの記事より)

 これまた何でもありだ。

 一応、さらに具体的には、内閣府に設置される青少年健全育成推進委員会(最大数5人)が、インターネット上の全てのコンテンツについて青少年に有害か無害かについての判断基準を作成するらしい。けど、現状ではその内実は全く分からない。( 見込みもなく法律だけ作ろうとするなよ。) だいたい、「悪影響を及ぼす」とか「誘発する」とか「助長する」とか「心身の健康」とかいうことはどうやって判断するんだ? もちろん「客観的に」だろうね?(でも、それができるなら法律に書くべきだろ。)

 となると、結局は、(選挙の付託も受けない)その委員会の5人のおっさん・おばさんの主観になってしまうんだろう。( あるいは、もし、中学生とかが「このサイト見て気持ち悪くなりました」とか言ってきたら即認定したりするの?)

 ああ、このブログも、アイドルだの水着グラビアだの政治家バカだのセックスだのフリーセックスだの子孫を残すためのセックスだの愛撫だのオーガズムだの父親との恋愛・性交だの書いてるから、「青少年有害情報」として申請する日が来るのかなぁ・・・。

4月18日
・ 「児童ポルノの単純所持に罰則」が与党のプロジェクトチームで合意に達したとのこと。まだ所詮はPTの段階ではあるのだけど。
 この件に関しては、福島瑞穂大先生の意見が正しい。
 ちなみに、「児童ポルノ」とは次のようなものを指す。 18歳未満の、性交や性交類似行為、衣服の全部または一部を着けない姿などを写し、性欲を刺激する写真や電磁的記録など 。って、何でもありだ。どのようなものが「性欲を刺激する」かなんて人によって違うし、実に多様だ。となると、18歳未満の人間の写真を所持してる人すべて(つまり、ほとんど全ての日本人。だって卒業アルバムとか自分の子供(の頃)の写真とか持ってるでしょ?)が逮捕されるということだって法律上あり得ないわけではないことになる。実際にそんな卒業アルバムを持ってて逮捕されるなんてことは起こらないだろうけど、だからといって、こういう違法(あるいはグレー)状態を大量に作り出し、逮捕に踏み切るかどうかは全て運用(警察の人たち)に任せる(つまり、国民は逮捕されるか否か分からずに常にびくびくしてなきゃならない)法律があっていいことにはならない。
 だいたい、自分が所持してる全ての雑誌、写真集、ビデオテープ、DVD、(電子)画像、(電子)動画を見直して、「児童ポルノ」があるかどうか、それが「児童ポルノ」に当たるのかどうかを調べるなんて、今さら言われても現実的に無理ですから。

4月16日
・ 今朝、読売新聞の朝刊を見たとき、けっこう本気で何かの冗談かと思った。心の中では思わず、「今日ってエイプリルフールかっ!?」って突っ込んでた。

・ エイプリルフールつながりで、一昨日書いた結婚歴説について。もし、ごくごく真面目に「 あなたと本当に結婚してました!」と主張する人が現れた場合、(松嶋初音みたいに、)相手のことを馬鹿にしないで傷付けもしないで自分の主張を押し付けることもしないで、どうやってそれを退けることができるだろうか?( 結婚の場合だと戸籍を見せるという手があるかもしれないけど、それだってできるのは本人と家族くらいだし、結婚じゃなくて「同居してた」とか「付き合ってた」とかになると否定できない。) 感情を重んじそれを基準とする限り、あらゆる虚言・妄言(中には自分が迷惑を被るものだって出てきかねない)がまかり通ることになる。それぐらいのこと、分からないものだろか?(松嶋初音くらい頭が悪いということもない人間が。)ちなみに、棄無ハイパセシスってのは、ある主張したい命題が正しければ否定される仮説のこと。つまり、「できるものなら否定してみなさい」っていう挑戦的な意味が込められていたということ。

4月6日
・ 映画『地獄の黙示録』の中のキルゴア大佐の有名な台詞に いつかこの戦争も終わる―― というのがある。この台詞には、ベトナムの地に散々勢力を投入しながらも全てを廃墟にしただけで敗北とともに終わる、虚しさの情感が込められている。
 この感覚と同じだなぁと思ったのが、アキバブーム。つまり、今の秋葉原の活況。なんだか今のアキバは、(盛り上がりそれ自体を目的に?)後からブームに加わった人たちと、アキバに集まる大人数の人を目当てにした人たち(企業、個人パフォーマー等含む)という、“二次的な流れ”にほぼ完全に飲み込まれてしまったように思う。なんか、アキバが完全に“ネタ化”されてしまった感じ。しかも、金儲け、エロという欲望全開なのが最高にいただけない。アンダーグラウンドの趣味(マジで二次元ラブ、アイドルラブ)というのは世間からずれていて(倒錯していて)恥ずかしい'。だから慎みがあった。そしてその慎みが秩序を生んでもいた。が、ネタなら今が(盛り上がり的、金銭的、性的に)楽しければいい。今を楽しみたいだけ、だ。ここではもう、元のアキバの魅力なんて全く関係なくなっている。そして、恥じも慎みもなく盛り上がって楽しむだけ。非名文的な秩序もない。こんなものは呆気なく崩壊するだけだ。その直接的な原因が、何らかの事件によるものであれ、飽きによるものであれ、非合法活動を取り締まる権力によるものであれ。 いつかこのブームも終わる――
 が、そんなことはアイドルファンとしてアキバに関わりのある自分にはどうでもいいことだ。問題は、そのブームが過ぎ去った後、“ブーム以前に存在していた秋葉原”がどれだけ残っているか、ということだ。ブームが去っても(最近増えたり新しくなったりしてる)大型電気店や小奇麗な飲食店は残るだろう。しかし、そんなものを目当てにオタクが秋葉原に集まっていたわけではない。今のアキバブームが秋葉原を廃墟にしないことを願うのみだ。と言いつつ、『地獄の黙示録』の台詞や情景と重なってしまうのだが。
 ( いまいちまとまりがないけど、ふと急に心配になって書き留めておくことにしたもの。)

・ もう2,3日前の話だけど、「 しょこたんのかみやまマネージャーが実は契約社員だった 」というのを聞いて驚いた。だって、普通のマネージャーだったから。だって、普通に、いや普通以上に過酷に働いてたから。ていうかナベプロさんよう、普通(以上)に働かせるのに契約社員はないだろ。年商55億円で経団連にも加盟してるような会社が、雇用者という優越的地位・圧倒的権限を濫用するような雇用をしてはいけないことぐらい知ってるだろ。労働者の人格を無視する拝金主義企業なんてくたばれ。共産党さん、読売新聞さん、こんなところに敵(搾取or拝金主義)がいましたよ! 強者が弱者をいたぶることは許さんぞ。
 労働法規(非正規雇用関係はここ一、二年での変化が激しい)は勉強しなくては。

4月2日
読売新聞のTVCM ケガの司令塔 『ありがとう』 その新聞が、読売新聞でありますように。  って、あなたたちはお涙を頂戴することが自らの仕事だと自認してるんですか? うわー。その点、私は、朝日新聞の ジャーナリズム宣言 を100億倍評価する者でありますよ。

 別冊ジュノンパーソナルブック 奥菜恵(主婦と生活社、1997年)
 
 
 あらかじめ言っておくと、先週末に部屋を整理してたらこの雑誌を見つけて、ちょうど10年前のだったからこれを4月1日にちょっとした冗談として取り上げようと思ってたら、昨日になって「エロエロなこと告白本 奥菜恵が復帰」(スポニチ)なんていうニュースが飛び込んできて、せっかくの企みが台無しになった。( 誰も取り上げないところで取り上げることにおもしろみがあるのであって、流行の話題に乗ったところで何にもおもしろくない。)

 けど、せっかくだから書いておこう。そして、以下で書く内容が告白本で全否定されるなんていうことになりかねないリスクも恐れず書きたいことを書いていこう。
 
 
 この雑誌(ムック)は奥菜恵が18歳になるのを記念して作られたもの。母親のインタビューや小さい頃の写真もある生い立ちからの成長記、17歳最後の水着グラビア、18歳の誕生日の一日密着、私物大公開、出演作品リスト、プライベートの散歩風のグラビア、私服姿の写真、Q&A、シールの付録など、盛りだくさんの内容。(で1200円!) グラビアも、変に奇をてらったものではなく、笑顔溢れる魅力的なものばかり。

 2冊持ってるうちの1冊には表紙にサインが入っている。サイン会かサイン本手渡し会のどちらかで手に入れたものだろう。と思って調べたら、「サイン本手渡し会」(@紀伊国屋・新宿南店)だった。( 思い出した。列に並んでるとき、奥菜恵がイメージキャラクターを務めていた大和銀行や所属事務所に対する(真っ当な)文句を言ってる人がいたんだった。)

 この雑誌の中でレポートされてるイベント(@石丸電気ソフトワン)もそうだけど、この人/所属事務所がやるのは、握手会でもサイン会でもなく、「手渡し会」ばかりだった。本人から渡されるだけ。その間5秒(も行くか?)。すごい。でも、その(売り方の)結果として、このアイドルは、ファンとの良好な関係が全く築けていなかったと思う。(これはファンにとってもアイドル本人にとっても悲劇だったと思う。)
 
 
 ここで、あまりに個人的な話で恐縮だけど、この雑誌に影響を受けて行動に移したことがあったのは懐かしい思い出だ。それは、「私物大公開」で紹介されている4つのうちの2つであるCDと香水。お気に入りのCDとして紹介されているエンヤのCD(『Watermark』)とHi-STANDARD(いわゆるハイスタ)のCD(紹介されてるアルバムは高かったからマキシシングルだけど)は買って聴いてみた。エンヤの方は、まあ名盤ですな。ハイスタの方はただやかましいだけじゃないパンク(p28)には思えなかったなぁ。(それでも何だかんだ聴いた気がするけど。)

 香水は、匂い系のものは好きでも香水を「男がするのは」とか「女性に混じって選んで買うのは」とか思ってたけど、奥菜恵が好きならそのイベントには付けていくべきでしょうと(安易にも)思って、頑張って足を踏み入れた。香水との付き合いはそれ以来のものだ。香水なんていずれにしても足を踏み入れてただろうけど、まあ、ガキだった自分に他人の視線に打ち克つ勇気(を発揮する機会)を与えてくれたことには感謝。
 
 
 さて、思い出に触れて溢れてきた自分の感傷的な気持ちを満たしたところで、今見ると興味深い彼女の発言を引用していこう。

★占い師さんの言葉
 「あなたは結婚が遅い。まあ、30歳ですね」。これが占い師の人に見てもらうと必ず言われること。たまに、「早くても36歳」とか言われちゃったり(笑)。 (中略) それにしても私、いつか結婚できるのかなあ。 (p70)

 これ(つまり結婚したけど離婚した場合)は、占い師は当たってると言えるのか? 果たして2年後の再婚はあるのか?

★10年後の自分
 10年後の自分? 28歳かー。うわー、何してるんだろう。そうだなぁ、たぶん結婚してるとは思います。してたい、かな(笑)。でも、まだ子供はいないですね。仕事はどうしてるのかなあ。今のところ、まだ全然想像つかないです。 (p70)

 結婚して離婚して事務所辞めて告白本出して、なんて想像できるわけがない・・・。

★尊敬する父親
 怒るとすごく怖い父親。 (中略) だけど父親のことはとても尊敬してます。家族をすごく大切に思ってくれているし、怖いけど間違ったことは絶対に言わないのが父親。 (p69)

 ふむ。

 時節柄、恋愛についての箇所は長くても引用しておきましょう。

私も恋愛ってほんとに大切だと思う。恋をしていろんな経験をすることで、いろんな自分が見えてきて、それがこの仕事にも生かされると思うし。恋愛って、やっぱり必要なことですよね。 (p66)

私は、闘える人が好きです。人間として相手に負けたくないと思えるような人。そういう人とだったら、常に刺激を与え合いながら、それぞれお互いがいい方向に進んでいけると思うから。それから、束縛したりされたりっていうのは苦手。お互いに信じ合っていれば、「今日電話したらいなかったけど、何してたの?」なんて聞く必要はないですよね。相手を追い詰めるような恋は、私はしたくないって思います。 (p66)

なんていろいろ言っちゃいましたけど、別に普通の恋愛でいいんです(笑)。大恋愛なんていうものじゃなくて、お互いが相手のことを信じて大切に思いやれる、そんな普通の恋がしたいです。 (p66)

 まあ、18歳のときの話とはいえ、真っすぐな普通の女の子ですな。こう語った後の実際の恋愛が、妥協や邪念の産物ではなく、このときの気持ちを実現させられるものであった(と信じられるものであった)ことだけは祈りたいところです。
 
 
 これで予習(or 復習)は万全。あとは4月8日の告白本(自叙伝エッセー)発売日を心して待つのみ。
 
 
 なんて、時流に合わせたことを書きつつも、この雑誌を久しぶりに読んで一番に思ったのは、奥菜恵が今どんなCDを聴いてて、どんなファッションにはまってて、どんな新しい趣味を見つけたのか、なんていう普通のことを知る機会さえここ数年の間はなかったなぁ、なんてことだったり。なんだか、同じ時を生きてる感じさえしないもんなぁ。

 春に誘(いざな)われて聴きたくなって聴いた音楽(つまりは最近聴いた音楽)について一言ずつ。アイドルには春が似合う。からアイドルソングも多い。
 
 
1.BT 『ESCM (Perfecto、1997年、USA)

 Brian Transeauが作った、基本、音だけの音楽。(いくつか参加アーティストによる歌が入ってる。) 最近のBGM的ヘビロテ。実にきれいな音を作る。これだけ澄んでいるとすーっと心に染み入ってくる。(だからといってヒーリングっぽい曲ではなく、クラブ/トランス系のノリのいい曲が中心。) これ聴いて他の曲(特に邦楽)聴くと音が濁って汚く聴こえる。(良いものに触れることは大切ですな。)
 
 
2.AKB48 「スカート、ひらり (AKS、2006年)

 名曲です。若い女の子の魅力がこれでもかと言うくらい歌に込められていて素晴らしいです。特に今の季節にぴったりです。ただ、最後のソロの3才児みたいなの誰だよ? 3才の女児の気持ちを歌ってるんじゃないんだから勘弁してくれよ。それから、純粋な女の子のグループなんだから、金儲けのために公取委が関係するような醜いことするなよ。
 ちなみに、色の付いてない(つまり育てられる)純粋そうな女の子をいっぱい集めて歌わせるというのはアイドルの売り方としてはスタンダード中のスタンダードであって、別に秋元康が何でもかんでもすごいわけではないですよ。
 
 
3.仲村みう 「STAND MY GROUND (GIRLS' RECORD、2008年)

 現在のジュニアアイドル・ブームの走り、仲村みう(今ではすっかり綺麗になってるけど)の歌。ネクラな彼女の性格に合ってない曲を無理やり歌わされていたら嫌だなと思って聴いてみたら彼女らしい曲で、普通に歌としても悪くない。ただ、叫び的な方向とひたすらに暗くて重い方向とでどっちつかずになっていて、いまひとつ突き抜けられていないのが惜しいところ。
 
 
4.ケツメイシ 「VS」 (作詞・作曲:ケツメイシ/トイズファクトリー、2007年)

 アルバム『ケツノポリス5』に収録されてる曲。若者の立場から大人を批判してる歌。こういうの好き、なんだけど、この曲はしょぼくて全然ダメ。てか、ちょー恥じぃ。
 まず、歌詞冒頭で ただ何にも考えず行動してる訳でも無い と宣言。その上で以下のようなことになっている。一つ。抽象的な批判が繰り返されるだけで、具体的にどうしてほしいのか、どうしたいのかが全く分からなくて、典型的な子供のわがままにしか見えない。例えば、大人たちが正論を押しつけることにやたらとこだわって批判するんだけど、じゃあ不正義を認めてほしいのかというとそうでもなく、むしろ、彼ら自身大人たちを「正論」(権力欲批判、政局批判等)でぶった切ったりしてる。おい。二つ。 いつの時代も若者集まる/その力この世を変える軽々 とか言うなら、こんなふうに大人をうじうじ批判してないでさっさと下らない大人社会を変えろよ。バカ。三つ。散々威勢のいいこと言っときながら、 『近頃の若者は・・・』という大人がその若者作った って、自分たちを被害者にして大人たちに責任転嫁したいのかよ。情けない。
 ケツメイシは「トモダチ」とか「さくら」とか「手紙」とか名曲もいっぱいあって好きだけど、この曲はいただけなすぎる。
 
 
5.奥菜恵 「ケガレのテーマ」 (2000年)

 芝居(『キレイ』)のサントラに収録されている曲。春といえば、奥菜恵には「Spring Field」というそのものずばりの名曲もあるけど、こっちの曲(「ケガレのテーマ」)の切なさと再生への決意といった情感は今の季節にふさわしい。それに、奥菜恵の魂の乗り移りようが相当なもの。
 それにしても、奥菜恵は今何をしているのだろうか? 再生への歩みは始めているのだろうか? あの、身の丈に合わないあんまり幸せそうではない生き方は脱したのだろうか? ところで、ここでこんな安っぽいアイドルの話をするのははばかられるけど、より理解しやすいように名前を出すと、安田美沙子をテレビのバラエティ番組なんかで見ると、痛々しくて見てられなくなる。二人とも無理すんなよ。彼女たちには、少し冷静にじっくりと自分探ししてみることを許すぞよ。だから「スピリチュアル女優」なんて間違っても言わないでください・・・
 
 
 と、話がずれてきたところでおしまい。

 ヘルマン・ヘッセ 『車輪の下(高橋健二訳/新潮文庫、1951年)
 
 
 色々な要素が詰まった1906年発表の自伝的青春小説。

 子供の気持ちを省みることなく勉強させ型にはめ込もうとする大人たち、誰にも理解されないと感じることで至る孤独と虚無、一歩外の世界に出て出会う刺激的な未知なる人間(友達)、勉強ができることによる身の丈以上のプライドとそれとは対照的な力仕事をしてる人たちの自然な振る舞い、都会の生活に疲れふと帰りたくなる子供時代に過ごした故郷、小さい頃の友達とのまったく気兼ねすることのない関係、つい逃げ出したくなってしまうような慣れない恋愛、等々、時代は違えど今に通じる青春小説の傑作(とまで言うにはもう一歩)。
 
 

 ああ、われはいたく疲れたり
 ああ、われはいたく弱りたり (p153)

 勉強のできる優秀な子供として周りの子供たちとは違う特別扱いを受け、エリートの道を順調に歩んでいた少年ハンスは、(色々な出来事を経て)ふと我に返り自分を見つめ直すことで、他人から与えられた目的に従うだけの自分の人生に虚しさを覚える。そして、勉強のやる気を完全に喪失し、エリートの道から弾き出される。

こうして早熟の少年は(中略)、現実ならぬ第二の幼年時代を味わうということになった。 (p156)

 少年には故郷があった。ハンスは、自然溢れる故郷に戻り、およそ理性的とは言い難い力仕事の世界に入る。そして、懐かしい子供の頃と同じ気持ちを味わえるそこに、魂の安らぐ場を見出す。

 その荒っぽい世界で若くして荒っぽい死に方で死んでしまうハンスは、最後まで彼の個性を理解できないで嘆き悲しむ大人たちの考えとは異なり、それでも幸せだったのだろう。
 
 
 理性的な生き方と野生的な生き方、都市と田舎、自由と束縛、理想と現実など、人生を歩んでいく過程で片方を捨て片方を選ばざるをえないものは多い。

 捨てたものを忘れて自分が選んだものを絶対化する人もいるだろうけど、捨ててきたものを頭の片隅に残している人も多いだろう。

 この小説は、そんな頭の片隅に残っている捨ててきたものたちを(ちょっと理想化した形で)思い出させてくれる。

 ああ懐かしい。昔は良かったなあ。(でも捨てざるを得なかったのだ)
 
 
 ところで、この新潮文庫版は古いためか訳がいまいち。日本語として意味の通りにくい文になってたり、「lover」と思われる単語を「愛人」と訳してたり。(辞書的には「愛人」に“愛する人”という意味はあるけど今では使わない。) アマゾンのレビューを見た感じ、読むなら光文社古典新訳文庫版の方が良さそう。

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