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by ST25
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 河合香織 『セックスボランティア(新潮文庫、2006年)
 
 
 2004年に出版されて話題を呼んだ、障害者の性に関する色々な実例を集めたルポルタージュ。

 具体的には、介助者を伴って風俗に行く脳性麻痺の男性、障害者専門の風俗店、障害者同士のセックス、先進的な試みを行っているオランダの話などが取り上げられている。

 言葉が話せない、手を動かせられない、一人では体を寝かせられない、といった性行為にとって欠かせない物理的な障害をいかに克服するか、いかに“介助”するか、という問題はあるけれど、それ以外のところは(常に満たされている状態にある一部の人を除いた)大多数の健常者と変わるところはない。

 だから、この話題をタブーとして封じ込めてしまうことは残酷であり、慈悲や情けによって解決を試みることは傲慢である。逆に、障害者を受け入れてくれる風俗店(ボランティアではない)があるというのは望ましい(ありがたい)。
 
 
 やっぱり、しょせん、健常者と障害者の違いなんて相対的なものに過ぎない。人間誰しも問題を抱えている。この相対的な違いを絶対的なものだと考えて両者を不必要に隔絶させてしまうと問題が生じる。

 というか、実際のところ、健常者の立場を優越的に感じて障害者を見下すような意識は自分にはとても持てない。 (「道徳的に持つべきではない」という以前に、「実際問題として持つことができない」ということ)

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 飯田泰之 『ダメな議論――論理思考で見抜く(ちくま新書、2006年)
 
 
 自分にとって心地良い話ばかりを受け入れるといった感情的な反応から抜け出して、客観的で冷静な立場から言説を判断する方法を示している本。

 「ダメな議論」に騙されないための手軽な方法として5つのチェックポイントを挙げている。「定義」、「反証可能性」、「不安定な結論」、「データ」、「例え話」の5つ。

 その上で、「ニート言説」、「食糧安保論」、「財政破綻論」といった俗説を批判的に検討している。
 
 
 この手の本は類書がけっこうあることもあって、目新しさはあまりない。

 とはいえ、こういうことって頭で分かってはいても実践するのが難しいから、何度も読んで自分に言い聞かせることにも意味はある。

 ただ、より重要なのは、こういう(学問的な)議論の作法を無視するような人にいかに読ませるかにあるのだから、正攻法ではなく、もっと色々な工夫が必要な気がする。

 そういう意味でも、本文中にいっぱい出てくる「例文」を、自作ではなく本、雑誌、新聞とかから拾ってきた方が相手を巻き込めて良かったと思う。

 その方が、類書を読んでいる人からしてもおもしろいし。

 2006年10月分のアイドルブログ・ランキングは、現在作成中だけど、“早くて”今週末、という情勢。

 そんなわけで、代わりというわけではないけど、先月、アイドルブログで起こった事件的な出来事をいくつかご紹介。

 
 
 
 1つ目は何といってもこれ。「福下恵美、反撃する」。

 番組で共演している関ジャニ∞(エイト)の女性ファン(の一部)と思われる人たちからの、ブログのコメント欄への誹謗中傷に応えたもの。

 かっこいい。

 こういう“嫌がらせ”へのスタンダードな対応は「無視&粛々と削除」だけど、今回の場合のように、「敵」(書き込んでる人)の目的とか属性とかがある程度特定できて、大多数の読者の共感を得られる場合には、反論もあり得ない手段ではないかもしれない。

 だけど、残念ながら、誹謗中傷はなくならずコメント欄は後に閉鎖されてしまった。(→10月28日の記事

 いじめをして同級生を自殺に追い込んだ中学生たちがその後もいじめをしているっていうニュースを見てても思うんだけど、再三にわたる注意・警告をしても聞かないのなら、完全に「ゲームオーバー」。

 いじめに関して言えば、いじめる人って、自分の今後の人生を賭けてまでいじめをしてるわけではなく、本当に軽い気持ちでいじめてるんだろうから、こういう場合にはその行為に対して重い制裁を課すことは有効だ。

 「いじめたら刑務所(少年院)行き」という意識が広く根付いたら、かなりの人はいじめないだろう。

 それに、副次的な効果として、いじめを告げ口してくれる人も増えるかもしれないし、学校・教育委員会・文科省も(警察が調べるのだから)いじめを隠蔽できなくなる。

 ただし、今回の福岡の“事件”の場合には、すでに人が死んでるんだから、自殺者が出た時点で警察がきちんと捜査しない方がおかしい。

 それで、福下恵美のブログの話に戻ると、嫌がらせを書き込んでる人たちも軽い気持ちでやってるんだろうから、“重い制裁”を科すことでかなりの抑止効果が期待できる。

 芸能人の公式ブログに誹謗中傷を書き込む行為は、刑法233条・信用毀損罪、もしくは、刑法234条・業務妨害罪に該当すると思われる。(→信用毀損罪・業務妨害罪―Wikipedia

刑法233条・信用毀損罪
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 
刑法234条・業務妨害罪
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

 (経済活動の一環である)芸能人のブログは2ちゃんとは違うのだよ、2ちゃんとは。

 山本彩乃のブログのように、「法的処置をとらせて頂きます」とトップページで牽制するのもいいけど、(上の罪名でなくて民法上の損害賠償請求でも何でも)実際に訴えて「法的処置をとらせて頂きました」と書くと効果てき面であることは間違いない。

 誰か(事務所)やってくれないものだろうか。

 というか、正直なところ、アイドルブログのコメント欄が次々と閉鎖されていっている現状に対して何とか歯止めをかけてほしいと願う、一アイドルファンとしての切実な希望なのだが。
 
 
 
 さて、1つ目が思いのほか長くなってしまったけど、残りは短めで。

 で、2つ目の事件的な出来事。「松嶋初音『死体』」。

 10人ほどのアイドルがトークをする形式のオーディションで死体の話を語ったとのこと。

 すごいのは、解剖学、心理学などの専門書を読んで勉強してること。

 本棚の写真にも、確かにそれっぽい本がたくさん。

 秋葉原・石丸電気でのイベントでも死体の話をしたらしい。

 さすが、「アングラアイドル3巨頭」の一角を占めるだけのことはある。(ちなみに、他の二人は、小明浅木一華

 日本は生物多様性条約を批准してるんだから、今後もこのまま生き延びて生物の多様性に貢献して欲しいものだ。
 
 
 
 最後、3つ目の事件的な出来事はこれ。「二階堂瞳子、バカになる」。

 3つ動画があるけど、場所が違うだけで内容は基本的に同じ。

 一番衝撃的なのは“左”のもの。ただ、若干聞き取りにくい。ちゃんと聞きたい場合には“右”のを併せて見ると解決する。

 ここまで行くと、「演じてる」とは言わないかも。(これが褒めてるのかそうでないのか、自分でもよく分からない)

 でも、恥ずかしさが全くないように見えるのは、すごい。完全に異次元の世界が現出している。

 北海道から出てきた20歳の女の子にこんなことさせていいのか、東京!という気もするけど、知ったこっちゃない。それも東京。

 でも、こんだけたくましいのなら東京でも生きていける。

 でも、本人が好きなのは江戸だって。残念っ。(?)
 
 
 以上。

 庄司薫 『狼なんかこわくない(中公文庫、2006年)
 
 
 1971年の本に政治学者の御厨貴の解説を加えて出された改版。

 
 
 内容以前に気になる点が3つ。

 一。この本は、著者のデビュー作『喪失』の著者自身による解説のようなものなのだから、再版の順番は『喪失』が先でないとおかしい。
(阻んでいるのは、「蝶をちぎった男の話」が講談社文芸文庫の短篇集に収録されていることによる著作権上の問題?)

 二。227ページの文庫が800円って、高すぎ。

 三。新たに加えられた解説が、なぜに政治学者によるものなのか?
 
 
 それで内容。

 安保闘争、全共闘運動が盛んだった頃にすでに芽生えていた“価値相対主義”の時代における青春論。“価値相対主義”とは、寺島実郎の表現で言えば、「虚弱な私生活主義」になる。

 とはいえ、時代が時代なだけに、まだ“開き直り”がないため、色々な問題点について、(著者の実際の行動とは裏腹に)「逃げることなく」考えられている。

 次の文に内容(もっとも難しい問題)は要約されている。

問題は、ぼくが、純粋さとはたんなる単純さでなく、誠実さはたんなる素朴さではない、と考えていたところにあった、といってもいい。単純さ素朴さは、純粋さ誠実さの要素、最終的に望ましい「たたずまい」とでもいうべきものではあっても、必要十分条件ではない。純粋さ誠実さが、生涯を通じての持久戦を首尾一貫戦い抜くことによってのみ求められるものであるかぎり、そこにはいかなる複雑な戦局の中でも耐えられる強さがなければならない。言いかえれば、単純さ素朴さはわれわれがはるか遠くに望みあこがれる到達目標であり、いわば「達人の境地」のようなものなのだ。われわれが、一見単純で素朴なたたずまいでその純粋と誠実を貫くには、それを支える恐るべき複雑な強さ、複雑な困難に素朴に耐えるという恐るべき「力」をまず獲得しなくてはならない。そして青春が、ぼくたちにとって純粋と誠実を求める生涯の持久戦のための基本的戦闘能力を鍛える時期とするならば、ぼくたちがそこで単純さと素朴さをいきなり純粋さと誠実さの代用品として持ち出すことは、一種の「キセル行為」であり、持久戦での敗北を招くことにもなるだろう・・・・・・。 (p68)

 
 
 じゃあ、どうすれば「力」を獲得できるのか、という問題はあるけれど、ここで述べられていることは、自分の身近な経験でも若いアイドルの言動を見ていても感じることであり非常に共感した。

 門倉貴史 『統計数字を疑う(光文社新書、2006年)
 
 
 新聞やテレビでよく見かける統計データを一つ一つ取り上げ、そのおかしな点、注意すべき点に分かりやすく突っ込んでいく本。

 
 
 類書と違うのは、統計学を教えることを前面に押し出してなくて、身近な例を一つずつ解説していって結果として統計センスが身に付くようになっているところ。

 取り上げられるのは、平均寿命、出生率、「豊かさ指標」、犯罪検挙率、「割れ窓理論」、「○○の経済効果」、消費者物価指数、新興国の経済統計、地下経済など。

 著者はエコノミストだから経済統計が多めになっているけど、本当によく目にするものばかり取り上げられているから、興味を持続できるし、即効性がある。
 
 
 また、「その統計データがどのように作られているか?」というところから説き明かしているのもこの本のユニークなところ。つまり、データの読み方を教えるだけではない、ということ。

 特に、民間シンクタンクが作る「○○の経済効果」というしばしば新聞をにぎわす試算の出し方は初めて知った。やっぱり大抵のものは真に受けてはいけない代物だ。

 この「○○の経済効果」に関しては、これを作る民間シンクタンクの内部事情も書かれていておもしろい。予想通り、少しでも目立つことが使命となっているようだ。まあ、需要があるから供給するわけで、面白ければ報じてしまうマスコミの問題も大きいが。
 
 
 
 数字を全く信用せず自分の直感だけを頼りにするのもきついが、数字を出せばそれで終わりというのもきつい。

 この本は後者の人に効果がある本であって、前者の人の信念を強めるための本ではない。

 この本の射程範囲を超えることだけど、果たして、最近テレビによく出てくる「教育を語る人たち」のように前者に属するような人にはどうすればいいのだろうか?

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