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by ST25
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 河合香織 『セックスボランティア(新潮文庫、2006年)
 
 
 2004年に出版されて話題を呼んだ、障害者の性に関する色々な実例を集めたルポルタージュ。

 具体的には、介助者を伴って風俗に行く脳性麻痺の男性、障害者専門の風俗店、障害者同士のセックス、先進的な試みを行っているオランダの話などが取り上げられている。

 言葉が話せない、手を動かせられない、一人では体を寝かせられない、といった性行為にとって欠かせない物理的な障害をいかに克服するか、いかに“介助”するか、という問題はあるけれど、それ以外のところは(常に満たされている状態にある一部の人を除いた)大多数の健常者と変わるところはない。

 だから、この話題をタブーとして封じ込めてしまうことは残酷であり、慈悲や情けによって解決を試みることは傲慢である。逆に、障害者を受け入れてくれる風俗店(ボランティアではない)があるというのは望ましい(ありがたい)。
 
 
 やっぱり、しょせん、健常者と障害者の違いなんて相対的なものに過ぎない。人間誰しも問題を抱えている。この相対的な違いを絶対的なものだと考えて両者を不必要に隔絶させてしまうと問題が生じる。

 というか、実際のところ、健常者の立場を優越的に感じて障害者を見下すような意識は自分にはとても持てない。 (「道徳的に持つべきではない」という以前に、「実際問題として持つことができない」ということ)

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