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 『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』 (監督:庵野秀明/2007年公開)


 「序」の方を、今さら見る。


 ウジウジしてるダメ人間でも本気を出すとすごいんだぞ、と。

 で、そんな作品を肯定することで、パッとしない自分も間接的に肯定しよう、と。


 (当然当人たちは無自覚だろうけど、)そんなことで受け入れられているとするなら、いかがなものかと思う。

 それから、その肝の表現があからさますぎるとも思う。

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 13デイズ(監督:ロジャー・ドナルドソン/出演:ケヴィン・コスナーほか/日本ヘラルド映画)


 1962年のキューバ危機を描いた映画。

 久しぶりに鑑賞。

 一時の感情に身を任せることは簡単だし、その誘惑はしばしば強いものだが、そこで理性的であることが責任ある者には要求される。 そして、理性的であるためには強靭な精神や忍耐が必要とされる。

 この映画では、その強靭な精神や忍耐が勝利をおさめるまでを描いている。

 ただ、その精神を維持し、忍耐するのに、仲間がいるところが、作品的にはやや緊迫感を下げてしまっている。 (ケネディ兄弟+補佐官の3人で耐えている。)

 が、もちろん、事実を基にしているのでそこはやむを得ないところ。

 それから、敵であるソ連やキューバについて全く描いていないのは、「一方的」と批判するべきところでは断じてなく、対立する国と国との間の意思疎通や平和維持の孤独感や難しさを伝えてくれてグッド。


 それにしても、アメリカ映画はホントに幸せな家族模様を入れるのが好きだなぁと思う。 ただ、作品を安っぽくしてるだけだと思うんだけど・・・・。

 オペラ座の怪人( 製作・脚本・音楽:アンドリュー・ロイド=ウェーバー/監督:ジョエル・シューマッカー/原作:ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』/2004年/アメリカ )


 公開当時、劇場に3回観に行き、サントラを買い、原作を読み、劇団四季の舞台を観に行き、と、どっぷりハマった作品。

 久しぶりにDVDを見た。

 やはりすばらしい。 その傑作ぶり、天才ぶりに改めて感動を覚えた。

 これだけ細部に至るまで作り込まれると天才としか言いようがない気がしてくる。

 本当に、炎とか馬車の音からサルの置物のような小道具までよくできている。

 もちろん、他者承認の欠如による心の荒びとその回復を描いたストーリーに深みはないけど、それでもテレビドラマやら大衆映画やらに比べれば十分すぎるぐらいのレベルの深みはある。 それに、主題に普遍性があるし、主題に合った世界観を視覚化できているし。


 ちなみに、未だに心残りなことは、日本人が日本語で演じる(不自然さが隠しきれない)ものではなく、本場のミュージカルが観てみたかったこと。


 ところで、まったくの偶然にも、今日(3月22日)がアンドリュー・ロイド=ウェーバーの(61歳の)誕生日だって。
 マンデラの名もなき看守』 ( 監督:ビレ・アウグスト/出演:ジョセフ・ファインズほか/配給:ギャガ・コミュニケーションズ/2008年


 アパルトヘイト政策の下、逮捕・拘束されていたネルソン・マンデラを担当し、彼に心惹かれ、共感し、心の交流をするまでになった看守の話。実話に基づいた映画。

 作品としては駄作。

 全てが中途半端。何が描きたかったのかよく分からない。

 なにせ、主人公である白人の看守が、自分の身の回りの危険を甘受してまで、マンデラに共感し便宜を図るようになった理由という肝心なところでさえ、よく分からない。

 子供の頃、普通に黒人の子と遊んでいたことによるのか、娘が街角で黒人だけが警官に暴行される場面を見てショックを受けたことによるのか、マンデラの人間性に影響を受けたことによるのか・・・。

 こう書くと、当然に最後の要因が重要そうに見えるけど、実際の映画の中では看守がマンデラの人間性に影響を受けているような場面はほとんど出てこない。

 というか、マンデラと看守が交流を深めていく過程自体があまり描かれてなくて、2人がいきなり深い絆で結ばれるようになっていて面食らってしまう。

 それから、もう一つ致命的なのが、この看守がマンデラに味方したことの意味・影響がよく分からないこと。ただの看守がマンデラに味方してちょっと便宜を図ったからどうしたの?という疑問に応えてくれない。

 そんなわけで、作品としては完成度の低い駄作。

 HERO』 (監督:田村祥宏/出演:小原雄平、道井良樹、塙花澄ほか/制作:DENDROBIUM/UPLINK X @渋谷)
 
 
 このブログをブログで取り上げて頂いたり、このブログにコメントして頂いたりしている塙花澄さんが出演されている映画『HERO』を金曜日に観てきた。

 「UPLINK X」という小さな劇場は、最近増えてきた近代的なシネコンとは対照的な、学校の視聴覚室のようなちょっと懐かしい雰囲気。

 でも、逆に、それが気分をリラックスさせてくれる。しかも、今回の映画の雰囲気と妙にマッチしている。混んでなければこんな劇場も悪くない。
 
 
 
 そんな今回の映画の(自分が理解した or 注目した)ストーリーはこんな感じ。(以下、映画の内容・結末に踏み込んで書いている。)

 一方に、善悪の感情のない新人類を創ろうとする組織と、その末端で「怪人」と呼ばれる新人類の失敗作を処分する新人類(小原雄平)がいる。

 他方に、口を利けない妻(塙花澄)といじめにあっている息子を持つ父親(道井良樹)がいる。彼は親から引き継いだ多額の借金を抱え、仕事もうまくいかず、苦しい境遇にある。そして、ついには家族を想い自分に生命保険をかけ、自殺する。

 組織は、その自殺した父親を新人類にすべく、彼に「強いけど怪獣のような容姿で生き返らせる変わりに妻を殺せ」と命じる。命令に反する行動をした場合、生前から彼を監視していた(失敗作を処分する)新人類が、彼を殺すことになる。

 こうして、怪獣のような容姿で生き返った父親は、命令どおり妻を殺すか、生前にいたぶられた借金取りや不良に復讐して金を奪うか、難しい選択を迫られる。

 監視役の新人類は、生前のその父親の苦境を知っており、彼が命令に反した場合、彼を殺していいものか、(善悪を持っていない新人類のはずなのに)何かを感じてしまう。

 結局、怪獣になって生き返った父親は、妻を殺さず、残忍に復讐を果たしていく。

 そして、結局、監視役の新人類(一応ヒーロー役)にあっけなく殺されてしまう。

 こんな内容。
 
 
 
 懐かしさを覚える映像の雰囲気、怪獣(怪人)とヒーローという構図、『HERO』というタイトル、これらは小さい頃に観た戦隊物とかウルトラマンを思い出させる。

 けど、そんな単純な勧善懲悪の話でも、カタルシスを感じて満足する話でもない。

 むしろ、単純には割り切れない状況を創り出して、観客自身にも選択を迫ってくる。

 ※以下、制作者が一義的に意図した「怪獣(怪人)とヒーロー」の構図ではなく、怪獣(怪人)の中の「怪獣(怪人)とヒーロー」という構図に関して書いていく。というのも、元は家族思いの優しい父親だった怪獣(怪人)の方にこそ感情移入できるから。

 優しくて善い人だけど、弱くて、悪人に対して何も言えない、何もできない。だから、抑圧されているという気持ちがどんどん積もっていく。

 それは、社会で生きる多くの人が強いられる境遇である。

 「あの列に割り込んできたおばちゃんを・・・」、「あの理不尽な上司を・・・」、「人間性のかけらもないあの犯罪者を・・・」、「庶民を抑圧してきたあの王様を・・・」。

 そんな、優しさと醜さを抱えている弱い人間が強大な力を手に入れたとき(ヒーローの立場になったとき)、悪人に対しても優しい心を維持できるか? それとも、復讐心や偏狭な正義感から、我慢できず悪人に対して強大な力を行使してしまうのか?

 「ヒーロー」による、このあまりに人間的な(けれど実に真っ当な)葛藤が、共感と哀愁を誘う。
 
 
 
 主人公である新人類(ヒーロー)の内面とか、新人類を作る組織とか、描写が足りないと感じるところもあるけど、(インディーズということもあって)話を拡げすぎていないことが逆に、話の焦点を絞ることになり、中途半端な観るべきところのない作品になるのを防いでいる。

 そんなわけで、全体の評価としても、テーマ性のある決して悪くはない作品。(部分的な評価ではなく全体の評価ができる時点で、自分にとっては好評価に入る)
 
 
 
 ちなみに、上で書いたとおり、塙花澄さんは口を利けない奥さんの役だった。

 塙さんが表情とか短い言葉とかで表現するのが上手いことはブログを見れば分かるとおりであって、実際、映画の中でも見事に演じきっていた。

 ただ、せっかく、話している姿をたくさん見れるチャンスだと思っていたのに、話せない役だと分かったとき、思わず突っ込みを入れたくなった・・・。(一度、オリコンブログの自己紹介動画?を見たことはあるけど。) これだけが残念。

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