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 JUSTICE(ジャスティス) 『A CROSS THE UNIVERSE (ア・クロス・ザ・ユニヴァース)(ワーナーミュージック・ジャパン、2008年)


 フランス出身のエレクトロ・デュオ、JUSTICE。 その2008年春のアメリカでのライブを収録したCDと、USツアーを追いかけたドキュメンタリー映像を収録したDVDの2枚組作品。

 DVDは、ライブ映像はちょこちょこ断片的に出てくるだけで1曲丸々とかは全く収録されていない。 「 ツアーを追いかけたドキュメンタリー映像 」とはいえ、普通、2、3曲は収録されてるものと期待するよね・・・・。 ライブの音があって60分のDVDがあるのにライブ映像が見れないという状態は、何とももどかしい。

 それに、このドキュメンタリー映像が、「 キャンピングカーでアメリカ中を巡りながら、俺たち悪してます!!!」って感じの青春ロードムービー風でイタ恥ずかしい。

 あえて社会規範からずれたことをして他者から認めてもうおうという( 他者がいて初めて成立する )不良中学生レベルの実存なんか、いい加減抜け出せよ。 そして、自立しろよ。 もう20代後半なんだから。

 こっちとしても、あんたたちの私生活なんてどうでもいいんだよ。 そんなものより、すばらしい音楽(ライブ映像)を見せろよ。

 しかも、本人たちは散々ツッパッてるのに、DVDに出てくるファンたちはみんなしてベタ褒めじゃないかよ。 キモイな・・・・。

 で、イタさの極致が、このドキュメンタリーの結末が2人が警察に逮捕されて終わるところ。 あんたたちの自己主張や悪さはお巡りさんがいないと表現/実現できないのかよ、という・・・・。 しかも、逮捕されてる理由が、銃の違法所持とか傷害とか公務執行妨害とか。 しょぼすぎるぜ・・・・。 (どうせやるなら、極左音楽集団・ATARI TEENAGE RIOTくらいにやれよ。この辺がドイツとフランスの違いか、なんて思ったり。 個人的には反社会分子は嫌いだけど。)


 というわけで、ライブ映像じゃないならDVDなんかいらない。 CD単品でいい。

 CDはさすがはライブ。音の広がりが良くて、それがJUSTICEのきれいで壮大でハードな音をより良くしてくれている。(ただ、全体としては、普通のCDよりそんなに格段に良いとまでは言えない。)


 収録されてる曲では、「Let There Be Lite」、お決まりな合唱曲で『†(クロス)』には入ってなかった「We Are Your Friends」がお気に入り。 「Stress」も普通のCDよりずっと良くて好き。 代表曲である「D.A.N.C.E」とか「DVNO」あたりは通常版の方がいいくらい。
 

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 伊藤惇夫 『民主党――野望と野合のメカニズム(新潮新書、2008年)


 民主党の事務局長も経験した「政治アナリスト」による民主党の歴史や政策・党首の移り変わりなどをまとめた本。

 本当に新聞や党の公式資料を「まとめた」だけ。大学生の卒論みたい。

 民主党などの事務局長経験を生かした逸話はほんのたまに出てくる程度。

 「アナリスト」という肩書きや帯に書いてある「初の本格的な組織研究」という大それた宣伝文句から期待される、「分析」なんてものもほとんど皆無。 (選挙で勝った負けたとか、政策が以前と変わった変わってないとかっていう程度。)

 そんなわけで、悪い本ということもないけど、特におもしろみもない本。

 伊藤惇夫は、テレビに出てくる政治(政界)評論家たちの中では( 自分の主張と事実とを分けて考えられるという点で、)かなりまともな方だとは思うけど、この本に関しては上に書いたとおり。 (というか、こういう「まとめ」本は、誰かしらが書く必要はあるとは思うけど、あなたが書く必要はなかったんじゃないの、という気がする。)


 最後に、政治評論家に政策の話を期待するのはどだい無理なことだとはわかっているけど、一つだけ。民主党の憲法改正に関する公約について。

 著者は、

  憲法の姿を決定する権限を最終的に有しているのは、政党でも議会でもなく、国民です

  国民の多くの皆さんが改正を求め、しかも国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます (p212)

 という、民主党の公約について、

 政権交代の是非を問う総選挙のマニフェストだからこそ、具体的な民主党案を提示すべきではなかったのか。 (p212)

 と言ってるけど、憲法は国民が政治家や行政機関に与えるもの( つまりは、改正「点」について国民の間でコンセンサスができて初めて政党が議題にあげるもの )で、なおかつ、憲法改正には衆参両院での3分の2以上の賛成と国民投票での過半数の賛成が必要なんだから、これはどう考えたって、民主党の意見の方が正しい。

 バナナ学園純情乙女組・第3回~罰当たり公演~ 『 アイツなら哀しくないわ 』 ( 脚本:中屋敷法仁/演出:二階堂瞳子/2008年11月26日~12月2日/@阿佐ヶ谷ART THEATER かもめ座 )


 「柿喰う客」の中屋敷法仁が脚本を提供し続けている劇団の第3回の公演。

 修学旅行の説明会を前にして繰り広げられる、中学校内の2つのグループ間の対立と様々な人間模様。

 では一応あるのだけど、実体は、やたら濃いキャラの登場人物たちによるワンマンショー。 そして、たまに繰り出される華麗な振りつきの全体合唱で一体感が保たれる。

 個性的でバラバラなキャラたちを“ストーリーによって”まとめることができていないところは「柿喰う客」には及ばないけれど、全体合唱が以前よりふんだんに取り入れられ、一つの作品としてのまとまりは作れるようになっていた。 (全体合唱は流れが単調になるのも防いでいた。)

 ストーリーもほとんどないとはいえ、最後の方では、修学旅行に行くとほぼみんなが死ぬ理由が明かされたり、裏切り者がいることが分かったり、純粋に青春を謳歌したいバカな不良がいたりと、そこそこ展開もあり、楽しめた。


 今まで(観たの)は、中屋敷脚本とはいえ、「柿喰う客」の作風から無理やり遠ざけようとしているようなぎこちなさがあったのだけど、今回は「柿喰う客」っぽさが比較的前面に出ているように感じた。

 それでも、今回初めて作品としてのまとまりが出て、個性はこれから手探りで少しずつ出していく(出てくる)のだろう。

 そんなわけで、とりあえず、この劇団の出発点となる作品。 (いや、もちろん、演技のレベルとか、言い出せばきりがないんだけど、今回の作品を観て一番感じたのが上記のようなことだった、ということ。)

※ 日々感じたこと考えたことを本記事とは別に、この記事の一番上に足していく形で不定期に書き連ねていきます。

☆★☆★☆★☆★☆

12月9日
・ ちょっと前のニュースだけど、ホンダがF1を撤退するとのこと。まあ、日本のF1ファンからすると、いるかいないかで言えば、そりゃいてほしいけど、ホンダF1のここのところの現実などを鑑みると、撤退の判断もやむを得ないと思う。
 新入りの弱小チームより遅かったり、旬のすぎた老ドライバーにこだわったり、「アースカラー」なんていう恥ずかしいカラーリングのマシンにしてしまったり、恣意的で独善的なFIAのレース運営に翻弄されたり・・・・。
 原因がニック・フライにあるのかホンダ本体にあるのかはよく分からないけど、少なくとも、外から見ていても、歯車が狂っていて、何をしてもダメな選択をし、あらゆることがダメな方向に向かっているのは明らかだった。(あぁ、ロス・ブラウンは期待できたけど一年じゃさすがに・・・。)
 昨今の金融危機という一過性の事態が撤退の原因ならもったいない気もするけど、それ以外の状況は、撤退し、10年くらいしてF1の運営や各種規則が落ち着いた頃に(純粋な「ホンダ」として)戻れれば戻ってくる、というのがベストな選択だと思う。
 レース経験のある福井社長が決断したというのは、ホンダにとってはせめてもの救いだろうと思う。単なるカネ目当てではなく、苦渋の決断だというのが伝わるから。
 

 重松清 『きよしこ(新潮文庫、2005年)


 吃音持ちの少年が小学一年生から高校三年生までの間に経験した7つの話からなる小説。

 少年は、つっかかるのを恐れて「カ」行や「タ」行や濁音で始まる言葉を使うのを控えてしまう。そのため、いつも、言いたいこと、言うべきことが言えないでいる。

 色々考えてしまい、言いたいこと、言うべきことが言えない、というのは誰にでもあることだ。

 いずれにせよ、それは結局、自分の弱さによるものだったりする。

 こうして、吃音の少年が描かれていながらも、その少年の姿が自分自身にオーバーラップしてくる。

 弱い自分。そして、その弱さに発する数々の(甘酸っぱい)失敗を(一応)乗り越えてきた今の自分。

 そんな普遍的でリアルな人間を描ける重松清は、実に人間のことをよく分かってるなぁと(改めて)思う。

 そして、つい弱さが出てしまうときの微妙な状況や心の葛藤を見事にすくい取れる重松清の力量は、さすがだなぁと(改めて)思う。

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