忍者ブログ
by ST25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 重松清 『きよしこ(新潮文庫、2005年)


 吃音持ちの少年が小学一年生から高校三年生までの間に経験した7つの話からなる小説。

 少年は、つっかかるのを恐れて「カ」行や「タ」行や濁音で始まる言葉を使うのを控えてしまう。そのため、いつも、言いたいこと、言うべきことが言えないでいる。

 色々考えてしまい、言いたいこと、言うべきことが言えない、というのは誰にでもあることだ。

 いずれにせよ、それは結局、自分の弱さによるものだったりする。

 こうして、吃音の少年が描かれていながらも、その少年の姿が自分自身にオーバーラップしてくる。

 弱い自分。そして、その弱さに発する数々の(甘酸っぱい)失敗を(一応)乗り越えてきた今の自分。

 そんな普遍的でリアルな人間を描ける重松清は、実に人間のことをよく分かってるなぁと(改めて)思う。

 そして、つい弱さが出てしまうときの微妙な状況や心の葛藤を見事にすくい取れる重松清の力量は、さすがだなぁと(改めて)思う。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[10/20 新免貢]
[05/08 (No Name)]
[09/09 ST25@管理人]
[09/09 (No Name)]
[07/14 ST25@管理人]
[07/04 同意見]
最新トラックバック
リンク
プロフィール
HN:
ST25
ブログ内検索
カウンター
Powered by

Copyright © [ SC School ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]