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村上春樹 『海辺のカフカ(上)・(下)』 (新潮文庫、2005年)
閉じた世界。 それは閉鎖的な世界ではない。 円環的な世界のことだ。 つまり、空間的に、ではなく、時間的に閉じた世界だ。
抜け出せない円環。 抜け出せない定め。 日々の退屈な日常という円環。 学校、あるいは、会社で。 猫を殺し続けるという円環。 そして、母・姉と交わり父を殺すという定め。
その世界では、身体から離れた人々の魂が、行き交い、惑わし、誘い、導く。 あるいは、実体とは別の観念的客体が実体を装って、行き交い、惑わし、誘い、導く。
閉じられていない、永遠の別世界(ユートピア)へ逃げ出すことへの誘惑もある。
しかし、「 世界でいちばんタフな15歳 」になると決めた少年は、自らの力でその閉じられた円環の中で生きていく強さを身に付ける。 そして、その閉じられた円環は、『地獄の黙示録』でウィラード大尉がカーツ大佐を殺したように、鉈(なた)のような大きな包丁で断ち切られる。
傑作。
話としてもおもしろい上、内容的な深みもある。
4月12日
・ 最近新たにかわいいと思っている女の子。 日向千歩と杉本有美。
4月6日
・ 時代が逆戻りしたみたいな、あの鈍重なF1マシンはなんなんだ・・・・。
それから、決して悪い人ではないというのはよ~く分かるんだけど、どうも中島一貴は応援する気が起きてこない・・・・。
そんなわけで、今年は、とにかくトヨタ頑張れ。
・ 山本一太が「 敵地攻撃能力も自衛の範囲内であれば持てるし検討すべき 」というようなことを言ったらしいね。 安倍晋三応援ソングもそうだけど、彼の、まるで小学生みたいな行動や言動はどうにかならないものかねぇ・・・・。 いや、まだ、あまりに淡白なアメリカへの揺さぶりとかメッセージとかいう意図があるならまだしも、彼にはそんな理性的なものはないんだろうしなぁ・・・・。
喜怒哀楽4部作の4作目。 とはいえ、それぞれタイトルに「喜・怒・哀・楽」のどれかが入ってるだけで内容的な補完関係はない。
前回は比較的良かったから期待してたけど、ひどかった。
駄目なところは以前と変わらず。
自分たちが楽しんでるのはよくわかるのだけど、まったく見世物になっていないのだ。 あるいは、全く見せる/楽しませるという意識がないのだ。
例えば、劇中に出てくる(あるいは終演後の)大勢での歌&踊り。 センターの歌い手の後ろにずらっと人が並んでオタ芸をしているのだけど、客席から観ていると、視覚的にも聴覚的にも歌い手より後ろでオタ芸をしてる人たちの方が圧倒的に目立ってしまっているのだ。 そんなわけで、大勢での歌&踊りは、カラオケボックスでの二次会を見せられているような感じがしてきて苛立ちを覚えた。
それから、劇中、役者たちが役から素に戻ってアドリブで会話をするように見せる場面。 これなんて、演技が下手すぎるために、痛々しいほどわざとらしさばかりが目に付いてしまうのだ。
それから、脚本。 脚本が来たのが公演直前だったということをやたら持ち出してくるのだけど、この言い訳を聞くのはこの劇団ではもう3~4回目だ。 金払って観る側からすれば「そんなの知るか」ってところだし、いちいち強調するのが言い訳がましくてウザイし、プロ意識(に準ずるもの)の欠如を大々的に暴露してしまっていて情けない。
それから、チケット予約。 公演日の3日前に予約のメールを送ったら、公演の前日になって返信が、携帯から、タイトルなしで、来た。 しかも、内容は「券種は何か?」と。
「券種を書け」なんて公式ブログでの告知に書いてなかったし、だいたい、「券種」って「一般前売り」か「学生前売り」か「平日お昼割引」ぐらいしかなくて、「日曜」な時点で「平日お昼割引」はないし、そもそも普通、「一般前売り」でしょうに。
そして、知らない携帯のアドレスから、( 一番驚き呆れたのはここだけど )タイトルなしで来たメールって、普通中身を確認するまでもなく迷惑メールフォルダ行きでしょう。
そんなわけで、怒ってもいたし所詮券種だし、あえて返信しなかった。
そしたら当日、なんと、予約されていなかった。 ( さすがに、前売りの値段で観れたけど。)
いや、あえて返信しないなんて、確かに自分は器が小さくてイヤな奴だけど、そんな高いレベルのことは決して要求していないはず。 ただ単に、ごくごく初歩的なレベルの常識を複数守れていなかったから教育的行動に出たまでだ。
ともかく、要するに、自分たちのやりたいようにやるのは大いにけっこうだけど、最低限守るべきもの、考えるべきことはあるだろう若者たちよ、ということ。
公開当時、劇場に3回観に行き、サントラを買い、原作を読み、劇団四季の舞台を観に行き、と、どっぷりハマった作品。
久しぶりにDVDを見た。
やはりすばらしい。 その傑作ぶり、天才ぶりに改めて感動を覚えた。
これだけ細部に至るまで作り込まれると天才としか言いようがない気がしてくる。
本当に、炎とか馬車の音からサルの置物のような小道具までよくできている。
もちろん、他者承認の欠如による心の荒びとその回復を描いたストーリーに深みはないけど、それでもテレビドラマやら大衆映画やらに比べれば十分すぎるぐらいのレベルの深みはある。 それに、主題に普遍性があるし、主題に合った世界観を視覚化できているし。
ちなみに、未だに心残りなことは、日本人が日本語で演じる(不自然さが隠しきれない)ものではなく、本場のミュージカルが観てみたかったこと。
ところで、まったくの偶然にも、今日(3月22日)がアンドリュー・ロイド=ウェーバーの(61歳の)誕生日だって。
奥田英朗 『空中ブランコ』 (文春文庫、2008年)
『町長選挙』へと続く、精神科医・伊良部シリーズの第2弾。 直木賞受賞作。
悩みすぎているサーカス団員、ヤクザ、医者、プロ野球選手、女流作家が無邪気で子供な伊良部に感化され影響を受けていく。
話としては「義父のズラ」が一番おもしろかった。
「女流作家」は、そこで出てくる小説観、大衆文化観と、偏屈な作家の話がおもしろかった。
そんだけ。
思えば、直木賞受賞作って、初めて読んだ。