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 重松清 『ナイフ(新潮文庫、2000年)


 学校でのいじめと親と子の関係をテーマにした5つの短篇からなる。

 残虐ではあるが、子供たちには子供たちなりの世界や論理があり、ただ単純に大人の世界の正論をぶつけるだけでは全くダメであるどころか、状況を悪化させかねない、という現実をしっかり認識できているという点では良い。

 けれど、「じゃあどうすればいいのか?」など、その先を描けていない点では物足りない。 結局、この本に出てくるいじめられてる子供たちは、じっと耐えることしか策がない状況に置かれている。

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 『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』 (監督:庵野秀明/2007年公開)


 「序」の方を、今さら見る。


 ウジウジしてるダメ人間でも本気を出すとすごいんだぞ、と。

 で、そんな作品を肯定することで、パッとしない自分も間接的に肯定しよう、と。


 (当然当人たちは無自覚だろうけど、)そんなことで受け入れられているとするなら、いかがなものかと思う。

 それから、その肝の表現があからさますぎるとも思う。

 稲葉振一郎 『社会学入門――〈多元化する時代〉をどう捉えるか(NHKブックス、2009年)


  社会学とは何か?(p10)を考え、社会学とは 社会的に共有される意味・形式の可変性・多様性についての学問 (p209)である、という答えを提示している本。


 「社会学ってあまりに何でもかんでもやるので、かえってつかみどころがない」 (p9)から 社会学とは何か? を明らかにしなければ、という問題意識には共感する。

 けど、その答えには全く首肯できない。

 だって、「 社会学とは何か?」って、「 社会を研究する学問 」に決まっている。 すると、当然のごとく、「 じゃあ、“社会”とは何か?」という問いにたどり着く。

 言い換えれば、「 社会学とは何か?」という問いに答えるには、あまりに当たり前のことだけど、「 社会とは何か?」という問いに答えなければならないのだ。

 にもかかわらず、「 社会学とは何か?」という問いに対する本書の答えには、「 社会 」という言葉が使われてしまっている。 これでは、説明になっていない。 「会社」というものを「 会社員が働くところ 」と説明し、「 じゃあ会社員って何?」って聞かれて「 会社で働く人 」と説明するようなものだ。 (トートロジーってやつだね。)


 それから、この本は、学部一年生向けの社会学入門を意識して書かれているとのこと。 それで確かに、社会学の内容を全く知らなくても分かるように、社会学を説明しようとしている。

 だけど、社会学の基本を説明するために、コンピューターの仕組みだとか絵画史(キュビズム、シュルレアリスムなど)だとか、社会学以外のものではある程度の知識がないときつくなっている。 こんなの、小学生に算数を教えるのに英語を使うみたいなものだ。


 そんなわけで、決して「社会学入門」にはなっていない本。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

7月13日
・ 都議選の自民党の議席数には驚嘆したが、そんなことより、地方選の結果を国政と結びつけるべきではないし、政党が地方議会に関わるべきでもない。 地方政治はその地方ごとの課題を問題にすべきだ。 それに、首長が自民党系か民主党系かというのならまだ国政にも少しは関係があるかもしれないが、議会の多数派がどっち系だろうが国政とは関係ない。 それに首長と議会をそれぞれ別に選挙する地方議会にあまりに政党色を持ち込むと、いちいち議会と首長が対立して、政治の停滞が頻発することにもなりかねない。 もちろん、国政の状況が状況だけに今回だけは特に重く取り上げられているというのはあるにしても。

・ ドラマ『官僚たちの夏』、第2回も見た。 本当に分からなくて素朴に思うのだけど、このドラマって、どこにおもしろさがあるのだろうか? 深いの好きでひねくれた性格の自分が楽しめないのは当然としても、一般の人もこれでは楽しめないと思うのだけど・・・。 それにしても、堺雅人の演技は作品を台無しにしてしまうくらい酷いね。 それから、池田勇人、スマートに描きすぎ。

7月6日
・ 久しぶりにテレビドラマを見た。 TBSの『官僚たちの夏』。 城山三郎の小説が原作(既読)で、高度経済成長期の通産省の官僚たちを描いた作品。 まだ第1回ということもあり、おもしろいところが全くなかったけど、きっとこれから何回かは見続けると思われる。 「 戦後の自動車産業の発展は通産省の産業政策によるものではない 」という学問上の常識から、このドラマがどれだけ逸脱するのかを確かめるために。

7月1日
・ (相変わらず愚かな)政治についていくつか。

 .再び話題になっている、与党が出した児童ポルノの単純所持禁止法案。 与党案だと宮沢りえのヌード写真集『サンタ・フェ』を持っていても捕まるということが注目を集めている。 何がおかしいのか自分で確認してやろうと、衆議院TVのビデオライブラリーで、2009年6月26日の法務委員会を2時間ほど、観た。
 メインは、与党案提出者の中心メンバーで警察庁の官僚出身の政治家・葉梨康弘(自民党)と、野党案提出者の中心メンバーの枝野幸男(民主党)との議論。 議論はまとまりのない酷いもの。( まあ責任は双方にある。)
 そんなわけで、気になる論点( 11歳と17歳を同じように児童として扱っていいのかとか、虐待など強制によるものと自発的なものとの区別は必要ないのかとか )は議論されていなかったし、与党案の是非を判断するのにあまり参考にならなかった。
 ただ、明らかにおかしいと思ったのが、葉梨が「 ペドファイル(小児性愛者)との戦い 」という言葉を何回も普通に言っていたこと。 あんたが戦わなくてはならないのは、小児性愛者ではなくて、小児性愛に基づいて実際に犯罪を犯した(犯す)者だけだろうに。 そして、枝野も弁護士でもあるなら、そういうところに気づけよ。 相手の魂胆見たり、というところでもあるのに。


 .臓器移植法案でまさかのA案が衆議院を通過したとかいうお話。 「 臓器移植のために生きていた人を死んだことにする 」なんて尋常じゃないよ。 「 臓器移植のために人は90歳で死んだことにする 」というのと変わらないよ。 えっ?意識があるのとないのとの違い??? ばーか。 無知め。

 ところで、この問題に関しては読売新聞が相変わらず酷い。 例えば、5月2日だか3日だかの記事。
 幼い命救う責任 果たす時    脳死後も人工呼吸器をつけていれば爪や髪が伸びることなどから「脳死は人の死ではない」という考え方も根強いことをうかがわせている。 ただ、解決策を見いださない限り、救えるはずの幼い命が救えなくなるのは確かだ。 国会が知恵を絞り、責任ある答えを出す時だろう。 (中島達雄)
  「救えるはずの幼い命」とか言ってるけど、あんたが今すぐ心臓を提供すれば「救えるはずの命」も(子供以外だけど)あるよ。 で、「命を救う責任」があるとか言ってんなら、あんたが今すぐその「責任」を果たして、自分の心臓を提供すれば?

 それから、もう一つ。
 読売新聞社が6月27~28日に実施した面接方式の全国世論調査で、「臓器移植を必要とする子供が国内で手術を受けられるよう、15歳未満の子供でも臓器提供を認めるべきだ」という意見に「賛成」は74%、「反対」は10%だった。 (6月30日)
 

 「 臓器移植を必要とする子供が国内で手術を受けられるよう 」なんて付けて質問したら、それは誘導尋問以外の何物でもないでしょう(笑) 聞き取り調査の基本中の基本だぜ。

 伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す(祥伝社文庫、2006年)


 平凡なミステリー。

 展開も、仕掛けも、登場人物も、いたって平凡で、あっさり。

 そんなわけで、すらすら読める。

 そして、読後、すいすい忘れる。


 だめだこりゃ。次、行ってみよう。

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