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太田光 『トリックスターから、空へ』 (新潮文庫、2009年)
太田光の短いエッセーを集めたもの。
前半は子供の頃の話から好きな本の話までいろいろな話題について書いている。 けれど、後半はアメリカやイラク戦争の話題ばかり。 で、さすがに中盤から終盤にかけてちょっとだれる。
ただ、一つ一つの内容は、核をしっかりどっしりと持ちつつ、鋭さや面白さも持ち合わせていて、心踊りながら充実した読書の時間を味わえる。
テレビでは相変わらずおちゃらけてるけれど、思考や文才はすっかり円熟している。
かっけーなぁ、ちきしょー。
思考の正しさではなく、思考のしなやかさなのだ。
「 KREVA Concert Tour '09-'10 『心臓』 Round 2 」 ( 2009年11月24日(火)/@Zepp Tokyo )
Round ZEROから行われてるツアーのRound 2。
夜からなのに、寝坊してまさかの遅刻。
今回のRound2も新しいアルバムから昔のアルバムにさかのぼっていくというのが基本の構成みたいだったけど、途中からでも十分楽しめた。
おっきなライブホールにいっぱい人を詰め込んで大盛り上がりで、その雰囲気にうまく乗ることができた。
それから、2点ほど。
構成は、Round ZEROから基本は同じでも、以前より、最新アルバム『心臓』の曲が後半の方に散らされてるような気がした。 実際のところは分からないけど、あくまで印象として。
それから、お決まりになってしまっている「最後の曲」の後のアンコールを嫌って、アンコールなしの構成になっているのはそれまでと同じでも、今回は最後にアカペラで歌って終わり、と、あっけない幕切れ感は薄らいでいた。ただ、やっぱりライブは、最後、おもいっきり余力を出しきるか、涙流れるほどの感動か、で終わりたいし、その定石に匹敵するような終わり方をKREVAは生み出せていないと思う。
そんなことも踏まえつつ、最後のRound3を期待しつつ楽しみに待っていよう。
11月30日
・ 小池百合子は、いったい、何を言ってんだ!?
11月13日
・ AKB48、(コアな)アイドルファンたちの間で大人気だけど、かわいいとは言え、ソロではとてもやっていけない普通っぽい子ばかりだなぁ、と思う。 その理由は簡単で、要は、アイドルは(コアな)ファンにとっては恋愛の代替物だということだ。 だから、身近にいそうなくらいのかわいい子で十分なのだ。 あるいは、そうでなくてはいけないのだ。 現実離れした、次元の違うかわいさではリアリティを欠くことになりかねないから。 それに、集団だと、その身近さ、普通っぽさがより一層増すのだ。 もちろん、集団であることのメリットは他にもいっぱいあるけど。
ガブリエル・ガルシア=マルケス 『予告された殺人の記録』 (野谷文昭訳/新潮文庫、1997年)
コロンビア生まれのノーベル賞作家・ガルシア=マルケスによる中篇。
町をあげての祝祭の翌朝、田舎の町全体を巻き込みながら起こった殺人事件を、そこに関わるあらゆる人たちの様子をバラバラに組み上げながら包括的に描きあげている。
ブリューゲルの絵( 『謝肉祭と四旬節の喧嘩』、『子供たちの遊戯』とか )のような民衆たちの雑然とした様子を、決して長くないページ数によってはっきりと思い描かせてくれる。
その構成力に感心した。
そして、なんとなく、読後、郷愁とか儚さが残った。
ディアドラ N.マクロスキー 『[増補] ノーベル賞経済学者の大罪』 (赤羽隆夫訳/ちくま学芸文庫、2009年)
経済学者の3つの大罪、すなわち、統計的有意性の誤用、理論構築における数学の誤用、経済学の実践における失敗、を指摘している本。
統計的有意性の誤用なんかは、そんなことをしている人たちがいるとはと驚いた。 数学的な理論の現実とのかい離はよく言われることではある。
だから、当人たちはその誤用とか限界を無自覚で行っているらしいと知って驚いた。
ただ、本としては当たり前のことをふつうに書いているだけな気がして、それほどおもしろくはなかった。 誤用の例をもっとおもしろく書いてくれれば楽しめるのにと思った。