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 吉田友和 『3日もあれば海外旅行(光文社新書、2012)

 

 土日に1日休みをプラスすれば海外旅行に行けるというのを具体的なスケジュールや体験談を踏まえて書いている本。

 ただ、そればかりに紙幅を割いているわけではなく、むしろ、残りの6~7割は海外旅行に興味はあるけど長い休みは取れないし、GWや年末年始の割高料金を払ってまで行きたくはないし、という自分みたいな人にむけた海外旅行入門になっている。

 だから、行き先、航空券予約のコツ、旅行先でのネット事情、マイレージなど海外旅行にまつわるいろいろな話題が出てくる。

 海外旅行に慣れている人からしたら当たり前の話ばかりなのかもしれないけれど、そうでない自分みたいな人間には楽しめた。いろいろ知って海外旅行が身近に感じられとても行きたい気持ちになってくる。

 I wish I were a student!

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 中村光 『聖☆おにいさん1(講談社、2008年)

 

 ブッダとイエスが下界にバカンスへやってくる。立川で行われる2人のコミカルな共同生活を描いている。

 以前から気になっていた漫画を2巻まで読んでみた。

 1巻は雰囲気や設定は確かに面白そうだけど、いまいちパッと笑いのツボをついてくるようなものがないなあと思ってた。だけど、2巻になって、ようやく慣れてきたのか、面白い設定がスムーズに笑いにつながるようになってきた。徳の高いことに遭遇すると光を放つブッダとか。

 とりあえずは2巻まででいいかなという気持ち。

 マイケル・タバート 『馬主の一分(競馬ベスト新書、2014年)

 

 先日オーストラリアのG1を勝ったハナズゴールなど「ハナズ」の冠名で知られる馬主が、馬の購入や厩舎・騎手との関わり、馬券、自らの持ち馬などについて忌憚なく述べている本。庶民が気になる馬主ライフをかなり垣間見ることができておもしろい。

 著者はオーストラリアで生まれ育ち、日本の大学に留学し、その間、ダビスタにはまり、有力プレイヤーとなった。その後、大手会計事務所に勤めながら馬主となった人物である。

 馬主としての活動の様子を読むと、実に良識的な馬主という印象を受ける。馬の購入は自らセールに足を運び、自らの判断によって最終的な決断を下す。高い馬でも800万円ほどで、40万や50万円の馬も持っている。調教師を基本的に信頼し、任せ、オープンクラスの馬に関しては相談しながらレーススケジュールを決定する。池江厩舎や矢作厩舎に預けたい気持ちももちつつ、高い馬だけをそちらに預けることに関して普段頼んでいる加藤厩舎への恩義に反すると悩む。全力を尽くしているように見えない騎手に関しては拒否権を行使する。

 そんな著者はハナズゴールでオーストラリアに遠征した理由も明確に述べている。それはフランケルと種付けするため。そのためにはG1勝利くらいの戦績が必要になる。そのチャンスをつかむために遠征するということだ。今回その目的を達することができたのは喜ばしい限りだ。(フランケルとの子が走るのかどうかは何とも言えないが。)

 そんなわけで、読了して、興味深い馬主の世界を垣間見れたとともに、改めて好感を持てた。今後のハナズ軍団の活躍を応援したい。

 

 常井健一 『誰も書かなかった自民党(新潮新書、2014年)

 

 これからの自民党のホープと目される唯一と言ってもいい存在である小泉進次郎が選挙演説で全国を駆け巡り、メディアで注目されていたとき、彼の肩書は「自民党青年局長」だった。

 はたして「自民党青年局」とは何か。その歴史と小泉進次郎という人物からその答えを探ったルポであり、研究でもある本。


 自民党青年局は、45歳以下の自民党員12万人が所属している。そして、45歳以下の国会議員である青年局長がそれらのトップとして君臨し、選挙応援や地方講演など全国各地を駆け回る。

 青年局は自民党の中でも元気のいい存在として独自色を発揮し確かな地位を党内でも築き上げているとされる。それは若者からの支持という幹部たる長老たちの弱いところをつかんでいるがゆえのパワーかもしれない。


 そんな党内の有力組織である青年局、青年局長の活動を小泉進次郎の行動から探ったルポを読むと、地方の党員たちの集会に行ったり、青年会議所のメンバーが動員をかけた集まりに行ったり、だ。

 それを草の根の国民の意見を聞く誠実さととるか、関連団体に属する支援者とばかり話す自民党の旧来型の利益団体民主主義ととるか、難しいところではある。

 この本を読んでの印象は後者だった。少なくとも、自分と似た志向、環境、境遇から意見を伝達するような人との接触はなさそうに思える。

 言うまでもなく、国民全員の意見をくみ取ることは無理だ。結局はバランスや程度の問題になる。

 果たして「青年局」とは何か。は、果たして「自民党の民主政治は是か非か」につながる問いを提示していた。

 

 

 鈴木伸元 『加害者家族(幻冬舎新書、2010年)

 

 近代化された今の日本では犯罪者に対する私的制裁は禁じられている。それを頭では重々承知していても、どうしても犯罪者(主に故意犯)やその家族に対して行われるプライバシーの暴露や嫌がらせや解雇処分などの社会的制裁に対して溜飲が下がる思いを抱いてしまう。そんな野蛮な自分自身に対して嫌悪感を抱きつつも、それでも「犯罪者は自分で悪いことしたんだし・・・」という思いを拭いきれなかったりする。

 そんな割り切れない思いを少しは軽くし、自らを少し近代人にしてくれるのがこの本。

 犯罪者の家族に関して、有名事件の家族のその後、無名事件の家族のその後、ある殺人事件の家族になってしまった妻のドキュメント、日本の加害者家族支援の現状、加害者家族支援に関する先進的な仕組みを持つ外国の状況などが書かれている。

 特にさまざまな実例をたくさん挙げてくれているのがいい。

 宮崎勤の父が自殺したとか、林真須美の自宅がさまざまに落書きをされた上、放火されたとか、加害者家族が何らかの嫌がらせを受けたり、苦しんだりしているというのは知っているつもりではあった。

 が、実際に起こっていることは想像を超えていた。頭で知っているというのと実際のエピソードをドキュメントの形で読んで知るというのは、大きく違っていた。

 それまで普通に生活していた妻が急に犯罪者の妻として世間から厳しい視線や扱いを受けなくてはいけなくなる。子供がいる場合には急に犯罪者の子供というレッテルが張られいじめを受けたりする。これでは、ある意味では妻や子も被害者になっているとも言える。犯罪を犯したのは当人であり、その責を負うべきは当人であって、家族ではない。

 そんな当たり前なことをリアリティを伴って教えてくれる。ジャーナリズムの力をいかんなく発揮してくれている。ちなみに、犯罪などに関するジャーナリズムの暴走については『報道被害』(岩波新書)がこの本と同様にリアリティを伴ってその酷さを教えてくれた。



 しかしながら、確かに、犯罪を犯した当人が責任を負うべきであるとはいえ、少年犯罪における親のように家族に他のやり様があったのではないのかと思えることもないではないだろうから、完全に近代人にはなりきれない野蛮な自分が残っていたりするのも事実だ。



 それにしても、子育てに正解があるわけではないし、周りから見たらすべきでないことも当の親からしたら正しいと信じていたりする場合もあるし、犯罪に限らず、勉強であれ、しつけであれ、「親の責任」というのは一筋縄では語りきれないものだ。




 
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