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柿喰う客・第11回公演 『 傷は浅いぞ 』 ( 作・演出:中屋敷法仁/2007年11月14日~26日/@王子小劇場 )
注目の若手劇団「柿喰う客」の第11回公演は、アイドルを題材にした4人芝居。
※ 以下、まだ上演中だけどネタバレあり。
この芝居、つまりは、「 アッキーナ、頑張れ!」ということですか。 (※ アッキーナおよびアッキーナの“傷”を知らない人は、「Wikipedia―南明奈」を参照。)
こう理解すると、最後の、実はアユミが(死んでたはずの)アキナだった、という不可解な結末にも納得がいく。
すなわち、“傷ついた”南明奈(=アキナ)を肯定するために、傷を乗り越えて頑張るアユミ(偽名)を実はアキナだったことにした、と。( それでも無理筋ではあるけど。)
実際、話の中のアキナもマネージャーと恋愛関係になっている。( この逸話はけっこうさらっと流されてたけど、アッキーナを知ってる自分は聞き逃さなかった。)
この解釈をこじ付けだと思う人のために、間接的な証拠も示しておこう。
この芝居の作・演出をしてる中屋敷法仁はグラビアアイドル好きだ。南明奈が解雇されたことも知っている。好きなアイドルはほしのあきとか大友さゆりとか、正統派アイドルではない。で、性格がひねくれている(よね?)。
と、くれば、“傷ついた”アッキーナをあえて擁護しようとすることは十分にあり得る。
さて、そんな「アッキーナ、頑張れ!」な芝居がどうだったかというと、つまらなかった。
言ってることは、「 スキャンダルとか体の外傷とかの“傷”なんて表面上のものにすぎないんだから、大した傷ではない(傷は浅いぞ!)」ということだけ。
単純でありきたり。
75分の4人芝居でこれしか言わないのはきつい。
それに、“傷ついた”アイドルへの支持を求めるには、論拠が薄弱。
さらに、話の展開や構成も、実に単純。( 過去の傷の説明、頑張るアユミの勇姿が8割、最後の2割で「傷は浅いぞ!」と主張。)
その上、いつもの「柿喰う客」の笑いやら下ネタやらをかなり抑えているとくれば、見るべきところ、楽しみどころはほとんどない。( “笑いやら下ネタやらを抑えた「柿」”というのは見どころではあるけど。)
4人でも役者陣の勢いは凄まじくて、観る者を全く飽きさせないのだけど、さすがに内容がないといかんともしがたい。
いつも通り期待してただけに欲求不満。次回作に期待。
追記:次回作はよかった