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 岩田規久男『金融入門[新版](岩波新書、1999年)
 
 
 貨幣、金融機関、金利、デリバティブ、金融と景気、金融政策など、金融に関するあらゆるトピックを分かりやすく説明している本。

 
 
 1990年代以降のデフレ不況は、(確か、)貨幣的現象であるため、財政政策はあまり効果がなく、金融政策が重要だと言われる。そのため、日銀の政策に注目が集まる。

 日銀の政策といえば、学校で習うがために有名なのは「公定歩合」である。しかし、今では金利の操作で「公定歩合」はあまり重要ではなく、日銀はこの言葉をお蔵入りさせるべく頑張ってさえいる。そして、その代わりによく出てくるのが、「無担保コール翌日物(オーバーナイト物)」あるいは「短期金融市場翌日物」である。

 日銀のゼロ金利政策の解除を「焦りすぎだ」と考えつつも、実は、この「無担保コール翌日物」とやらのメカニズムをなんとなくでしか理解していなかった。

 今回、この本を読んだ最大の動機はここにあった。
 
 
 それで、読んだ結果、よく分かった。

 特に、89頁に載っている「金融市場の分類」という図4-2は、金融関係の本自体が初めてということもあって、初めて目にする代物で、理解が促された。「コール」とやらがどこに位置付けられているかを辿っていけば、以下のようになる。
 
 
 まず、金融市場は、短期金融市場と資本市場(株や公債・社債)に分かれる。そのうち短期金融市場は、銀行間市場と他にも開放されている市場とに分かれる。そして、銀行間市場が、手形売買市場とコール市場とに分かれている。

 つまり、「コール」あるいは「コール市場」とは、各銀行が持っていて日銀に預けている預金のようなものである日銀当座預金に関して、余裕のある銀行から増やしたい銀行へと短期的に貸し借りする際の市場のことである。

 なお、「無担保コール翌日物」の「無担保」とは文字通り担保を必要としないということで、「翌日物」とは取引期間が翌日までということである。

 この「コール市場」の金利は、当然、日銀が供給する資金の量によって変わる。だからこそ、日銀が金利誘導政策の目標として、この「無担保コール翌日物」を使うことができるのである。
 
 
 「なぜこの無担保コール翌日物が日銀の金利誘導政策の目標として使われているのか?」に関しては、書いてあったような書いてなかったような、という感じでよく分からない。

 けれど、とりあえずは、「無担保コール翌日物」のメカニズムと位置付けが分かっただけで満足である。

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