by ST25
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山形浩生、岡田斗司夫FREEex 『「お金」って何だろう?』 (光文社新書、2014年)
となると、経済素人の岡田斗司夫がいろいろ素朴な質問をぶつけ、山形浩生がそれに答えながら「お金」について解き明かしていく本なんだろうと漠然と思いながら読み始めた。
第1章、第2章くらいはユーロの欠点や貨幣を発行する権限を国家が持つことの意義とか、「お金」を根本から考え直すような話でフムフムと読み進めた。
が、第2章の途中あたりから漠然と感じていた岡田の「評価経済」推しが、第3章で完全に前面に押し出されてくる。ここでは、岡田が一方的に自分の考え(かなり現実性に乏しい)を話し、それに対して山形が大人な当たり障りのない返答をするという形式になる。当初期待していた内容は見事に悪い意味で裏切られてしまった。
そして、第4章。ただ単に岡田が行っているパトロン制の宣伝だ。合点がいった。全てはこのためだったのだと。
第5章は格差の話。格差が拡大することで、(1)高額商品が売れなくなってくる、(2)低所得層があきらめてしまって頑張ってもしょうがないと思うようになり経済全体の低迷につながる、といった格差の弊害の話は興味深かった。
この本によって岡田斗司夫の本は自らの宣伝のために書いている可能性があるという「評価」がなされる気がするけれど、果たしてそれでいいのだろうか?
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