by ST25
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C.N.パーキンソン 『パーキンソンの法則』 (森永晴彦訳/至誠堂、1996年)
今から50年程前に刊行され相当話題を呼んでいた(そして今でもそれなりに話に出てくることのある)、組織の生態・病理について事実と冗談とを混ぜながら至ってマジメ風に分析している本。
いわゆる狭義の「パーキンソンの法則」だけでなく、「 議題の一項目の審議に要する時間は、その項目についての支出額に反比例する 」(p42)という“関心喪失点”の話や、「 〔閣僚の〕メンバーの数は二十から三十、三十から四十へとまし、やがて千を越すことも遠くはない 」(p61)という“閣僚の定数”の話や、退職の潮時になった人を辞めさせる方法など、おもしろい話が色々と出てくる。
山形浩生が指摘してるようにパーキンソンの法則からすると業務効率化というものの虚しさが明らかになる。
また、“関心喪失点”の話は地方自治体・地方議員による「道路作れ」という(いまだになされる)主張の愚かしさの内実を暴露してくれる。
と、それなりに現実にもそぐってしまう話でもある。
こういう本を読むと、組織って、主客の転倒した人を生み、育て、そんな無能な人に居場所を与えるためだけにあるようにしか思えなくなる。
けど、まあ、それなりに意義もあるのだろう。
そんなわけで、ミルグロム&ロバーツの『組織の経済学』も読みたいけど、値段と分量のためなかなか手が出ない。
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