by ST25
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本村凌二 『競馬の世界史』 (中公新書、2016年)
古代ローマの見世物だった時代、王や貴族がその威を競った時代、そして、民衆のスポーツ/ギャンブルとして普及していった時代と、今の競馬の形になるまで様々に変容してきている。もちろん、用いられる馬の種類も今と昔とでは異なるし、レース形態や競う距離も全く違っている。19世紀頃まで4マイル(約6400m)のレースが多かったというのは衝撃的だった。もちろん、戦に用いる馬ということで考えれば持久力が必要なのは理解できるけれど。
また、その時代時代の名馬の紹介は、「聞いたことあるけれどよく知らない」名馬のことを知ることができて勉強になった。ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、エクリプス、グラディアトゥール、ハイペリオン、ノーザンダンサー、セレクタリアトなど。それぞれの馬(やその関係者)にドラマがあり、名馬の名馬たる所以はその強さのみにあらずと感じた。
ギャンブルとして毎レース毎レースの結果に一喜一憂するセカセカした日々から、雄大な歴史の流れに身を任せ、平穏な心で競馬を楽しむような、そんな気持ちに変えさせてくれる本だった。
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