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夏目英男 『清華大生が見た 最先端社会、中国のリアル』 (クロスメディア・パブリッシング、2020年)
著者は5歳で中国に渡り大学卒業・大学院修了まで中国で暮らしていた。
著者が卒業した清華大学は、北京大学を押さえて中国ナンバー1と評される大学。そして、東大はもちろんのこと、シンガポール国立大を負かしアジアナンバー1大学にランクされることもある。特に理系に強い。
そんな超優秀な著者が、日本のメディアでは報じないリアルな中国社会についてレポートしてくれるとあれば、興味をそそらないわけがない。
しかし、結論から言うと、超絶期待外れ。
なんせ、著者が実際に体験したり見たりしたことを書いている部分は全体の1~2割くらいだけ。タイトルと違うじゃん!
日本の10倍の13億人も人口がいる国のトップ大学の学生たちがどんな人たちで、どんな生活を送っていて、どんなことを考えているのか、そんなことを超知りたかった。もちろん、そんな内容も一部に出てくるけど、とても少ないし、あまりに表面的。
それから、残りの8~9割の内容もよろしくない。
中国の大企業であるアリババとテンセントの歴史と、中国で広く使われているウィーチャットの歴史をまとめただけ。本当にただまとめただけ。いかにも、日本の「マジメな」大学生がレポートで書きそうな内容。そんなのウィキペディアでも何でも読めば済むから。
この点でも、「日本のメディアが報じない中国のリアル」を期待していた自分からするとがっかり。シリコンバレー的な存在とも言われる、ハイテク都市・深圳がどんななのかとか知りたかった。
そんなわけで、タイトルとは大分異なる内容の本。
清華大学ってそんなもんかと決めつけてしまうのはさすがに性急すぎるだろうか。