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 佐藤優、杉山剛士 『埼玉県立浦和高校(講談社現代新書、2018年)

 

 作家の佐藤優が母校の浦和高校で生徒向けに行った講演、保護者向けに行った講演、現校長との対談が収録されている。

 今では、公立高校までもが東大合格者数や現役進学率を気にし、朝や放課後に補習を行ったり「夏期講習」を行ったりしている。(都立日比谷なんかまさにそう見える。)もちろん、それ自体悪いことではない。大学受験を全く考えずに各教師の好き勝手に授業されたのではたまらない。

 しかしながら、大学受験をあまりに絶対視しすぎ、それに向けてあまりに必死になりすぎてしまうと話は違ってくる。昨今の状況は残念ながらその域にまで達してしまっているように感じる。もちろん、それは一義的に高校に責任があるというわけではなく、「予備校的な高校」を求める「消費者」あってこその状況ではあるのだが。

 そんな時代環境の中、本書で語られている内容は、いわば「教養」の大事さである。社会においてどのような「学力」や「知力」が必要とされるかを筆者が自らの経験も交えて語っている。生徒から出てくる質問も「ゼネラリストとスペシャリスト」や「情報判断能力」や「文系と理系をわける意味」といった受験勉強の先に関わるようなものが多い。

 ここにあるのは、「余裕」、もしくは、「視野の広さ」だと思う。彼らとて大学受験がどうでもいいと思っているわけではない。しかし、それが全てと考えて必死になりすぎていない。それだけが唯一無二の価値基準だと思っていない。

 その余裕に器の大きさを感じる。そんな器の大きさを生かすべく、彼らが受験でも負けずに社会で活躍する人材となってくれることを願わずにいられない。



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