by ST25
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
春日真人 『100年の難問はなぜ解けたのか――天才数学者の光と影』 (新潮文庫、2011年)
数学界の重要な未解決問題で、100万ドルの賞金が掛けられていた「ポアンカレ予想」を証明したのにもかかわらず、賞金の受け取りを拒否し、表舞台から姿を消しているペレリマンに迫る、NHKのドキュメンタリー番組の書籍化。
ペレリマンによる解決に至るまでの他の数学者の貢献と、ペレリマンの生い立ちや人となりを描いている。
ただ、肝心の「ポアンカレ予想」がいかなるものかという説明は、分からせようという努力の跡はうかがえるけれど、イメージできないし分かりにくい。
また、結局ペレリマン本人とは接触できていなくて、賞金受け取り拒否の理由などの真相も明らかにならないまま終わっている。
そんなわけで、(ページ数も多くなく、内容も多くないこともあって、)読みやすいけれど、ペレリマンについてもポアンカレ予想についてもそこまで詳しく知ることができない。
わざわざテレビ番組にして本にまでするくらいだから、(サイモン・シンの本並みとまではいかなくても、)それくらいのことは期待していただけに、少し期待外れで読み応えがない本だった。
PR
この記事にコメントする