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 重松清 『せんせい。(新潮文庫、2011年)


 ちょっとわだかまりがあって表面上、心を開ききれていないような、そんな微妙な関係の教師と生徒との関係を描いた6つの短篇を収録している。

 教師による何気ない言動、あるいは、個性的なやり方に、生徒が意外にも影響を受けていたという内容の話が多め。

 学校の先生と生徒との関係は、実際、「ザ・師弟」みたいなものなんてあまりない。むしろ、先生を全然尊敬していなかったりするけれど、それでもさすがに子供であるだけに、後々考えると何かしら影響(良いもの悪いもの両方あるけど)を受けていたんだなあと思うことがあったりする。

 ただ、この本の話は、そんな関係に近いけれど、やや生徒が(正直、微妙な)先生を尊敬する方向に(やや不思議ながら)傾いている話が多い。

 いずれにしても、そもそも感動話にはなりにくいところを描いているけど、やはり、いまいち感動もしなかったし、共感もできなかった。

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