by ST25
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青柳碧人 『浜村渚の計算ノート』 (講談社文庫、2011年)
「心を伸ばす教育」のため、芸術科目や道徳が重んじられ、数学などの理系科目がほとんど教えられなくなった日本。 そんな状況に不満をもった数学者が連続殺人を起こしながら数学の地位向上を図っていく。 それに対抗して、一人の数学の天才である女子中学生が警察に協力しながら事件を解決していく。
と、何とも気持ちいいくらいに破天荒な設定の、気持ちいいくらい軽く読み進められるミステリー。
犯人の側も、真実に迫る中学生の側も数学を愛する者であり、どちらの側にも数学の論理を尊重し、数学に対する敬意がある。
そして、フィボナッチ数列や円周率や四色問題といった数学がとてもわかりやすい形で駆使される。
読んでいる間、難しいイメージの強い数学を手近で楽しいものに感じさせてくれる。 ただ、トリックとかは軽いものでミステリーとして期待するべき小説ではない。
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