by ST25
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重松清 『鉄のライオン――『ブルーベリー』改題』 (光文社文庫、2011年)
1980年代前半に学生時代を過ごした1人の男性(筆者とオーバーラップするところが多々ある)が、当時のちょっとした出来事を回想している12篇の短篇からなる小説。
『ブルーベリー』という単行本で出されていたものが、『鉄のライオン』として文庫化されたもので、確かに、『ブルーベリー』という題だと売れなそうな気がするから、より興味を惹かれる『鉄のライオン』という題に変えたのは理解できる。
けど、読んでみると、『鉄のライオン』なんていうかっこいいタイトルには似つかわしくなさすぎる内容で、むしろ、『ブルーベリー』っていう生ぬるそうなタイトルがぴったりだというのが分かる。
そんなわけで、重松清の作品にしては、それぞれの場面・出来事のつっこみも浅くて、ラフスケッチといった感じの、物足りなさが残る小説だった。 ( 著者本人も「素描」だと断ってはいるけれど。)
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