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 G.K.チェスタトン 『木曜の男(吉田健一訳/創元推理文庫、1960年)


 やや過激な無政府主義を掲げる秘密結社の中央委員会に潜入した主人公の前で、様々な出来事が起こっていく。

 そこにはミステリー的な話のおもしろさだけではなく、「無政府主義」やそれを取り巻く社会状況とも関係のある政治的・社会的な皮肉にも満ちたおもしろさがある。

 また、登場人物の飄々と間の抜けたことを言ってのける清々しさもおもしろみを増すことに寄与している。

 そして、話全体に関して特に感じたのは、そういったおもしろさを創り上げる全ての源になっているであろう、作者の強靭なロジカルさ。 それは中央委員会の主人公の演説しかり、相手をやりこめる際の会話しかり、と、話の中で特に絶妙なおもしろみを醸し出す場面で見事に機能している。

 そんなわけで、名作と言われる程度にはおもしろい小説。 ただ、飛び抜けた傑作と言うほどでは決してない。

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