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 重松清 『卒業(新潮文庫、2006年)


 父親が自殺していたり、いじめを受けて引きこもっている息子がいたり、母の病死後に父が再婚した新しい母がいたり、と、「普通」の家族とは何かしら異なっている家族が、苦境を前向きに受け入れ「和解」していく様を描いた4つの中篇小説からなる本。

 色々な場面で、「あー確かにそんな気持ちになったなぁ」と思わされるところがたくさんあって、重松清はどれだけ人間心理を見事にすくい取るんだ、と改めて思った。

 と同時に、10代の尖っている時期に読んだらやっぱり好評価は下さなかっただろうなとも、(いつものことだけど)思った。

 その違いは何なのだろう?と読んでいるとき考えた。

 ~ここから下は本の感想ではない~

 もちろん、様々な感情や出来事を経験してきたというのが大きいのは間違いない。だけど、重松清の作品を受け入れられるようになったのは、そういう「共感」といった過去の確認作業とか修繕作業みたいな後ろ向きなものだけによるのではないように思える。

 重松清の小説を読むことで、何か前向きな満足感を得られているように感じる。

 すなわち、大人になった今だからこそ欠けている何か、を埋め合わせて満たしてくれているように感じるのだ。

 じゃあ、様々な経験もして大人になったけど、それでも、「大人になった今だからこそ欠けている何か」とは何か?


 というのを、言葉で表そうといろいろと数日の間に何回も考えたけど、いまいちはっきりとつかみきれない。

 本を読んでいるときは、確かに「あー、与えられているなぁ」という感覚はあったのだけど・・・。

 誤解を恐れず、陳腐なかなり漠然とした言葉でいえば、「愛情」とか「優しさ」とかそういったものだ。

 でも、「小説を読んで愛情を与えられる」というのは、一体どういう状況なのだろうか? 自分でもよくわからなくなってきた。

 から、今回のブログではここまでで終わりにしよう。

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