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那須正幹 『ズッコケ中年三人組』 (ポプラ社、2005年)
2004年12月に完結して新聞などでも話題になった児童文学の一大傑作の、オールドファンのための続編。40歳を迎えた三人の近況報告をメインにしながらも、ちょっとした事件にも巻き込まれる。
小学生の頃に、この那須正幹の「ズッコケ三人組」シリーズと、『ぼくらの七日間戦争』などがある宗田理の「ぼくら」シリーズは読んだ。それ以来、大学に入るまでほとんど読書なんてしなかったから、この二つのシリーズが自分の若かりし頃の数少ない読書経験を形作っているわけである。
ただ、現在の自分の考え方や価値観に「ズッコケ」シリーズがどこまで寄与したかを考えると、無意識のレベルでは良く分からないが、直接的な影響はあまり大きくないように思える。もちろん、全くないとは思わないが。その一方、「ぼくら」シリーズの方は現在の自分の価値観と依然として通じるところがあるように感じる。(ただ、「ぼくら」シリーズも最近の作品のやや道徳的・共同体主義的な部分には共感できないが。)
ところで、この本の表紙の裏には、このシリーズ全50巻の表紙の一覧が掲載されている。それを見る限り、自分が読んだのは30巻前後までであるようだ。思いのほか読んでいない作品が多いのに驚いた。さすがに、ここまで読んでいない作品が多いと、今更フォローするのも骨が折れるから諦めがつく。
さて、それで、今回の本の内容だけれど、さすがに昔読んだだけのことはあり、物語の流れに自然に乗ることができた。ただ、上でも書いたように、今回の作品のメインは40歳になった三人の近況報告にあると思われるからストーリー展開自体は簡単なものである。「オールドファンのため」とはいえ、子供も読むであろうからそんなに「あれもこれも」と期待するべきではないのだろうけれど。