by ST25
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赤井邦彦 『鈴木亜久里の挫折――F1チーム破綻の真実』 (文春文庫、2008年)
鈴木亜久里によるF1チームの立ち上げから撤退に至るまでの2年半を描いたドキュメント。
その舞台裏を知っても、やはり、外側から見て想像していた通り、お金に泣かざるを得なかった現実が明らかになっている。
あくまで第二チームを持つつもりのない資金協力に消極的なホンダ。ビジネスとしてのスポーツという意識が弱くオールジャパンのチームであってもスポンサーの成り手の出てこない日本企業。そして、華やかな世界にすり寄ってくる口先だけの胡散臭い連中たち。
しかし、参戦2年目でポイントを獲得し、上位チームのマシンに喰ってかかり、本家のホンダを上回る成績を何度も出したりという、栄光と興奮の記憶が久しぶりに甦ってきた。
本当に楽しい日々だった。
佐藤琢磨とスーパー・アグリF1チーム。どちらも、一途な気持ちだけで裸一貫から這い上がってきた特別な存在だ。
そんな彼らが、どちらも、道半ばで中途半端な終わり方をせざるを得なかった(得ない)というのは、なんとも寂しいことだ。
なにが「Power of Dream」だ。
というような総括をすることを可能にしてくれるくらい、この本は包括的に書かれている。 (ホンダのことを無理して擁護しすぎな気がするけれど。)
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