by ST25
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
貴志祐介 『ダークゾーン(上・下)』 (祥伝社文庫、2013年)
「ハリーポッター」にチェスで同じような状況の場面が出てくるのが思い浮かんだ。 ただ、この小説では将棋と全く同じルールではない。
「解説」で大森望は、この小説オリジナルのルールに関して「最初から示されていた可能性がフルに活用され」(下巻p337)と書いているけれど、「昇進」の存在や昇進後の戦闘能力などオリジナルのルールが後出しじゃんけんでたくさん出てくる。そのため、読みながら「こういう戦略で行くべきなのでは」と読み手が想像し、それを小説が超えていくという驚きや敗北感が得られず、後から後から出てくるルールに「あぁそうなんだ」と思いながら完全に受け身で読み進めていくしかない。
「断章」として挟まれる現実での主人公たちの話もそれほど深い話ではない。
そんなわけで、ゲームの面でも人間の描写の面でもそれほど面白さに感動するようなところのない小説だった。
何だかんだ最後まで読めてしまったけど。
PR
この記事にコメントする