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谷川俊太郎 『詩ってなんだろう』 (ちくま文庫、2007年)
「 詩とは何かという問いには、詩そのもので答えるしかないと思った著者 」(裏表紙)が、小中学生でも読めるように作った(編集した)本。
わらべ唄やかぞえ唄から、翻訳詩、現代詩まで、実にバラエティに富んだ(分かりやすく)楽しい詩がたくさん収録されている。そして、それらに著者が一言ずつ楽しさを煽るコメントをしている。
あらゆる詩の技巧(やり方)、詩の楽しさが網羅されていて、詩入門に最適。
解説で華恵が言ってるような、不自由で説明的でつまらない詩の授業を受けたりして詩に否定的な印象を持ってる人が読むと、解放されるかもしれない。
もちろん、それでもよく分からない意味不明な詩ってのは世の中にたくさんあるだろうけど、とりあえず、詩の楽しさがどういうところにあるのかを知る一歩としては優れてると思う。
ちなみに、収録されてる詩の中で一番好きなのは、国木田独歩(1871-1908)の「沖の小島」っていう作品。
「 沖の小島に雲雀(ひばり)があがる
雲雀すむなら畑がある
畑があるなら人がすむ
人がすむなら恋がある 」
イメージとか世界が次々広がってく伸びやかな感じが好き。思えば、天地創造の情景にも似てる気がする。( だからどうしたって話だけど。)
それから、思わず「おぉ!」と思ったのがこれ。
「 すきじゃないわ
きらいよ
でーとなんて
するもんですか 」(p68-69)
ツンデレをここまで簡潔に表現しえてるものって、他にないと思う。ちょっと言葉使いが古いけど、傑作。( ちなみに、一文字目の“縦読み”ってやつね。)