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 木田元 『木田元の最終講義――反哲学としての哲学(角川ソフィア文庫、2008年)
 
 
 大学退官時に行われた最終講義(とその補説)および最終講演を収録したものの文庫化。

 最終講義では、ハイデガーの『存在と時間』を読みたい一心(p11)で大学に入ったという著者の学究人生を振り返りながら、ハイデガー哲学の大枠を色々な逸話を交えながら話している。

 ちょっとした自叙伝でもあり、一人の哲学研究者の読書遍歴や思考遍歴を知ることができるという点ではおもしろい。ただ、ハイデガーの哲学の中身についてはかなり簡単な説明で済まされていて、これだけではよく分からない。それから、〈存在=生成〉と見る日本と〈存在=被制作性〉と見る西洋で根本的なものの見方・考え方が違うという結論的な主張は、そんなに根本的に違うとは思えない。違いはあるにしても誇張しすぎだと思う。

 最終講演では、エルンスト・マッハの「現象学」の概略とその多方面にわたる影響をこちらも色々な逸話を交えながら話している。

 マッハの現象学的な考えは、非主流的な科学観・哲学観のようでありながら(だからこそ)、アインシュタインをはじめとする様々な人たちに影響を与えていることに驚いた。
 
 
 哲学って、こういう啓蒙書とか入門書とかで読むとすごくおもしろそうなんだけど、いざ実物に当たってみるとさっぱり意味が分からなかったりするのがヤダ。( 最も近い挫折は、アドルノ=ホルクハイマー。3回くらい挑んで毎回同じ箇所(たしか30~40ページくらい)で挫折した。)

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