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 太田光 『マボロシの鳥(新潮社、2010年)


 爆笑問題の太田光が書いた最初の小説。

 舞台や登場人物は全く異なるけれど、ファンタジックな世界や、そこでの出来事を通して伝えたいメッセージは共通している9つの短篇からなっている。

 伝えたいメッセージのあまりの純粋さはいかにも太田光らしい。「世界は繋がっている」とか「神様を超えるもの」とか「本当の愛」とか。

 それが、凡庸さとなっている面もあるけれど、そのありきたりのことを伝えるために創られた9つの話は、それぞれが自由で豊かな想像力に裏付けられた、小説的な面白みに満ちていて、同じ作者とは思えないくらい多様で楽しめるものになっている。

 本格的なメッセージ性を求めるなら純文学を読めばよいし、小説ならではの想像力をもっと追求したければハードSFを読めばよい。けれど、ドストエフスキーだとか大江健三郎だとか野間宏だとかは気軽に手には取れない。イーガンだとかベスターだとかもなかなか手ごわそう。

 そんな人やそんな気分の時にちょうどいいのがこの小説だと思う。



 

 

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