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 千住博、野地秩嘉 『ニューヨーク美術案内(光文社新書、2005年)
 
 
 画家による美術館の楽しみ方の指南と、ノンフィクション作家によるその実践。ゴッホやミレーといったポピュラーな画家の作品だけでなく、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に所蔵されている抽象的な現代美術も題材として扱われているのがありがたい。

 指南と実践という構成からも分かる通り、最近の新書の一つの潮流である、「課外授業 ようこそ先輩」(NHK)や「世界一受けたい授業」(日本テレビ)を意識した作りであるように思える。そして実際、“写実至上主義”的な小中学校の図工・美術の授業とは全く異なるオルタナティブを(当然ではあるが)提示してくれている。

 そして、具体的に挙げられている視点は、美術館の壁や照明にも着目すべきこと、絵を通して作者を見るべきこと、人物画では耳に注目すべきこと、彫刻では作品の周りの空間を見るべきことなどである。これらが実際の作品や美術館を通して説明されている。そこで入れられている作品の写真がモノクロであるため、説明されている視点がどこまで威力を発揮するのかが本書を読んだだけではいまいち分からない。これは残念だが、個々の作品を理解するのがメインではないからやむを得ないところか。

 しかし、いずれにせよ、この本を読んで、「何が何でも今すぐに美術館に行きたい!」とまではならなかった。

 ただ、本の中で紹介されているアンディ・ウォーホルの「12の電気椅子」という作品は、静かさの中に様々なイマジネーションを掻き立てるものがあり興味を持った。

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