忍者ブログ
by ST25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 ウィリアム・シェイクスピア 『ジュリアス・シーザー(福田恒存訳/新潮文庫、1968年)
 
 
 偉大なる君主ジュリアス・シーザー、及び、その暗殺者にして高潔な勇将ブルータスを中心に描かれる政治劇。

 格調高い名演説の場面が重要な役割を負わされていて、シェイクスピアらしい作品。

 それだけ。
 
 
 訳者は解題で、「主人公は誰か」、「誰の悲劇か」とかいった話を(紹介)しているけれど、これも、『ヴェニスの商人』におけるキリスト教徒とユダヤ人(シャイロック)の善悪二元論同様、読みが浅いのか穿ちすぎなのか、明らかに無理筋。

 登場人物は皆救いがたい。(それが人間的ではあるけれど。)
 
 
 ところで、ここのところ立て続けに『リア王』、『ヴェニスの商人』、『ジュリアス・シーザー』と、どれも新潮文庫で読んできたのだけど、3作ともに共通する、訳者による「解題」と中村保男による「解説」は何とかならないものだろうか?

 訳者の「解題」は、作品ができた年はいつだとか、オリジナル版はどれが良本だとか、そんな細々とした論争に5ページとか10ページとかも費やしている。新潮文庫版というもっとも大衆向けのものにそんな学術的な話(しかも読解に際して大して意味をなさない話)はいらない。書くとしても1ページ以下には抑えてほしいところ。内容に踏み込んだ話でも、学説(読解)上の異説(やや極端な解釈)に反論することばかりで、積極的な意味は見出しにくい。

 中村保男の「解説」も、作品を読めば誰でも分かることとか、訳者の「解題」の説明をそのままなぞっただけのこととか、読んだところでなんの足しにもならない(無)内容ばかり。

 訳はいい(と思う)んだけど。(あと、『ヴェニスの商人』に収録されてた作品年表は便利だけど。)

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[10/20 新免貢]
[05/08 (No Name)]
[09/09 ST25@管理人]
[09/09 (No Name)]
[07/14 ST25@管理人]
[07/04 同意見]
最新トラックバック
リンク
プロフィール
HN:
ST25
ブログ内検索
カウンター
Powered by

Copyright © [ SC School ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]