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 コーマック・マッカーシー 『ザ・ロード(黒原敏行訳/ハヤカワepi文庫、2010年)

 

 核戦争か何かにより荒廃した世界を、父と子が孤独に南へと歩き続ける。 日中の灰色の世界を進み、日が落ちた後の暗黒の世界は眠ってやり過ごす。 道中、廃墟となった家々から食料などを頂戴する。 稀に遭遇する生存者に対しては、善なる者か悪者かを慎重に見極め、時に銃で威嚇し、時に無視し、そしてまた、淡々と先へと進む。

 今の世界の終わりを描きつつも、幼い子に託された「火」が受け継がれていくことで、新たな世界の静かで暗い始まりをも感じさせる。

 体力も気力も損なわれている極限状況の中、父は、我が子を、そして、「火」を守ることだけを生きるよすがに、何とか生き延びている。 そんな中では感情は最低限に抑えられる。 その状況に合わせるように、淡白な筆致で書かれ、話も淡々と前へと進んでいく。 それがリアルである。 一方で、読んでいて面白みに欠けるところでもある。


 それにしても、この本の英語版が170万部も売れているとの「訳者あとがき」の内容には驚いた。



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