by ST25
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コーマック・マッカーシー 『ザ・ロード』 (黒原敏行訳/ハヤカワepi文庫、2010年)
今の世界の終わりを描きつつも、幼い子に託された「火」が受け継がれていくことで、新たな世界の静かで暗い始まりをも感じさせる。
体力も気力も損なわれている極限状況の中、父は、我が子を、そして、「火」を守ることだけを生きるよすがに、何とか生き延びている。 そんな中では感情は最低限に抑えられる。 その状況に合わせるように、淡白な筆致で書かれ、話も淡々と前へと進んでいく。 それがリアルである。 一方で、読んでいて面白みに欠けるところでもある。
それにしても、この本の英語版が170万部も売れているとの「訳者あとがき」の内容には驚いた。
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