by ST25
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アンドルー・クルミー 『ミスター・ミー』 (青木純子訳/東京創元社、2008年)
『百科全書』やルソーの『告白』を軸に、時と場を隔てた3つの話が相互にシンクロしながら進行していく、なんとも不思議な物語。
博識ながら抜けたところがある登場人物たちが作り出す雰囲気や世界がとても心地よく、そこにストーリーや知的な話が加えられていて、楽しい。
四方を本に囲まれた書斎で、裸で本を読む女性が映っているパソコン画面を眺めている一人の老人が描かれている表紙の絵と、「謎の書物、ロジエの『百科全書』とは? 書痴老人がネットの海に乗り出した・・・・。」という帯の宣伝文句に惹かれて読んでみたが、珍しく、そういった周辺情報から沸き起こる期待にたがわない内容・雰囲気を持つ本だった。
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