by ST25
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デュマ・フィス 『椿姫』 (新庄嘉章訳/新潮文庫、1950年)
美しい娼婦と純粋な青年との間の恋愛を描いた1848年の小説。
庄司薫の小説に(好意的に)出てきているのを見て、いつかは読みたいと思っていたもの。
純粋な青年アルマンは、純粋に恋心を抱き、その純粋さゆえに最高の幸せをつかみかける。 しかし、恋心のあまりの強さと純粋さのために、(猜疑心、嫉妬など)恋の罠にはまってしまい、醜悪な人間になってしまう。
一方、その美貌と娼婦という立場を利用して、浮き名を流し、派手な生活を送っていたマルグリットは、純粋な愛情を初めて受け、それまでの生活を一変させ、精神性をも高めていく。
そんな対照的な結果になってしまう2人のすれ違いぶりや、相当な悲惨な仕打ちにも堪え得るまでに高められたマルグリットの高貴な精神性が心を打つ。
好きなあまり、疑い、妬み、傷つけてしまう恋のつらさ、相手の幸せを第一に考えるという本当の愛情。
そんな普遍的な恋愛を描いた恋愛小説の古典。
それだけに、やや退屈な感じもしてしまうのだけど。
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