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 川崎修、杉田敦編 『現代政治理論(有斐閣アルマ、2006年)
 
 
 政治、権力、リベラリズム、デモクラシー、平等など、政治理論に関わる主要キーワードごとに、その重要な論点を紹介している初学者向けの入門書。

 基本的な論点はほとんど網羅してあるが、その一方で、登場する学者や理論は最低限だけ。本当に初学者のための入門書。それ以外の人が読んでも物足りなく感じる。

 ただ、各キーワードごとに分けられた各章は、どれも簡潔で分かりやすく、しかも、競合する理論間の関係がはっきりとされていて、優れた入門書だと思う。

 また、フェミニズムに一つの章が割かれているのは珍しい気がするし、意義深いと思う。(読んだ感じだと、フェミニズムはまだ学問としての体系化において未発達な印象を受けたが。それでも、印象だけでフェミニズムを批判する人が多い現状からするとやはり意義深い。)
 
 
 
 ところで、この本のタイトルにもなっている「政治理論」という領域と「政治哲学」という領域との違いとは何なのであろうか?(これに「政治思想」という領域も加えられる。) 「はじめに」でこの点について少し書かれていたが、「より哲学的」なものが政治哲学で、「経験的な学問との接点がより多い」ものが政治理論とのことである。もちろん、厳密な区分はないようだが。

 しかし、個人的な印象では、より評論に近くて厳密性が弱いのが政治理論で、より厳密性が強いのが政治哲学だという感じを受ける。しかし、であるならば、政治哲学に統一した方が学問としては望ましい気がするのだが、どうなのだろうか?

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