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by ST25
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 増田寛也編 『地方消滅(中公新書、2014年)

 

 1億2000万。人口は減っていくと言われてはいるけれど、この馴染み深い数字が相も変わらずに保たれている現状では、人口減少を現実感を伴って感じることはなかなか難しい。

 だが、それはあくまで今までの話であって、これからは感覚的には「急激に」人口は減っていく。2050年、今から35年も経てば日本の人口は9700万人になっている。となれば、1億2000万という数字が崩れ、1億1000万になる日はそう遠くはない。

 と、考えていくとなかなかに恐ろしい時代に突入していくことになりそうだ。そんな時代を象徴するかのような事態が、子供が減り高齢者が増える少子高齢化に止まらず、高齢者までもが減っていくという事態だ。そうなれば、ついには「地方消滅」という言葉さえリアルなものとして恐ろしくも迫ってくる。

 そんな、(特に都市部の人間には)聞いたことはあってもいまいち危機感に迫られない人口減少という問題をこの本は重要な問題としてリアルに感じさせてくれる。

 最後に各区市町村の2040年の人口予測が掲載されている。これもなかなか実感を伴って問題の大きさを理解させてくれる。例えば、大都会・東京であっても、杉並区は2010年約55万人である人口が2040年には約47万人とおよそ8万人も減る予測になっている。となると、地方では人口1万人を下回りそうな自治体が続出することになる。


 ちなみに、現状分析の後には人口減少に対して講じられるべき施策も書かれている。ただ、おおざっぱだったり、列挙しているだけだったりで、政府の白書のような書きっぷりでいまいち処方箋としては弱いと感じる。もちろん、紙幅の都合もあるだろうけれど。

 とはいえ、問題意識を共有するという第一段階に関しては成功していると思うし、元岩手県知事の増田氏と日本総研の藻谷氏の対談はなかなかすっきりと問題や対策の根幹がまとまっていて参考になる。


 今までと同じ状態が続くだろうと安易に考えてしまう「1億2000万人」で育ってきた大人たちこそ今後に起こることを正面から受け止めないといけないのだろう。



 
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