アイドルブログ・ランキング［2006年12月版］

※前のブログに合わせて作っていたため、見にくくなっています。あしからず。 （2008.06.19）

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　2006年12月についてのアイドルブログ・ランキング。

１．2006年12月版について

　評価基準などの詳細は、「アイドルブログ・ランキング［第1版完成版］」を参照。

　今回の評価対象は、120人。

　高城樹衣が閉鎖のため外れ、松本莉緒、下川みくに、桜井桃花など６人が新たに加わった。

　つまり、１人減って６人増え、合計で５人増えた。

　また、「得点表」で、「熱心さ」「内容の面白さ」の掲載をなくし、替わりに「前月との得点比」「順位」を掲載するようにした。

　今回のランキングにおける変更点は以上。

　
　
２．アイドルブログ・ランキング［2006年12月版］

　まず、得点順になっているランキング。

　◎アイドルブログ・ランキング
　（得点順／2006年12月分、120人対象／丸カッコ内の「数字」は前月との得点差、「新」は今回から加入／四角カッコ内は順位と偏差値、「T」はタイ）
　
　★―――――――――――――――――――――――★
　30.　
　――――――――――――――――――――――――
　29.　
　――――――――――――――――――――――――
　28.　太田在(-1) ［＝1位、72．0］
　――――――――――――――――――――――――
　27.　中川翔子、二階堂瞳子(+2)、塙花澄 ［＝2位T、69．3］
　――――――――――――――――――――――――
　26.　あべなぎさ、酒井若菜(+1) ［＝5位T、64．1］
　――――――――――――――――――――――――
　25.　小明、加藤沙耶香、金田美香(-1)、ゴールデン小雪(-1)
　　　　 ［＝7位T、64．1］
　――――――――――――――――――――――――
　24.　浅木一華(-1)、浦えりか(+2)、河辺千恵子(+1)
　　　　桜井桃花(新)、田崎りさ(+18)、辰巳奈都子(+2)、
　　　　橋本彩(-1)、森幸子(-1) ［＝11位T、61．4］
　――――――――――――――――――――――――
　23.　あさくらはるか17、ガチャピン、喜屋武ちあき、すほうれいこ、
　　　　田代さやか(+2)、長尾麻由、仲村みう、原田明絵、
　　　　ハレンチ☆パンチ、平田薫、平塚奈菜(-1)、福留佑子、
　　　　松嶋初音、松本莉緒(新) ［＝19位T、58．8］
　――――――――――――――――――――――――
　22.　 蒼井そら(+4)、京本有加、佐々木梨絵(-2)、浜田翔子(-1)
　　　　 ［＝33位T、56．1］
　――――――――――――――――――――――――
　21.　愛川ゆず季(+1)、青山玲子、入船加澄実、加藤美佳、
　　　　高梨臨(-2)、中澤優子(新)、山本沙織(+1)、吉井怜
　　　　 ［＝37位T、53．5］
　――――――――――――――――――――――――
　20.　相澤仁美(+1)、甲斐麻美(-3)、鎌田紘子(+2)、
　　　　木嶋のりこ(+1)、草場恵(+1)、小阪由佳(-1)、里中あや(+1)、
　　　　しほの涼(-1)、島野亜希子(-2)、時東ぁみ(-1)、長谷川恵美、
　　　　福田沙紀、福之上真友、松本美佳里(-3)、リア・ディゾン
　　　　 ［＝45位T、50．9］
　――――――――――――――――――――――――
　19.　阿井莉沙、石井めぐる(+2)、伊藤彩華、Erina、大友さゆり、
　　　　小倉優子(-1)、吉川麻衣子、工藤亜耶(+1)、斎藤夢愛(-2)、
　　　　ソニン(+1)、手塚りえ、中村知世(+1)、花井美理(新)、
　　　　疋田紗也(-2)、平田裕香、藤岡麻美(-1)、眞鍋かをり(-2)、
　　　　満島ひかり、吉野紗香(+1) ［＝60位T、48．2］
　――――――――――――――――――――――――
　18.　石原朋香、磯山さやか(+1)、井上和香(+1)、上田愛美(+2)、
　　　　川原真琴(-2)、川村ゆきえ、北乃きい(-1)、サエコ、
　　　　佐藤江梨子(-3)、佐野夏芽(新)、下川みくに(新)、
　　　　永岡真実(-1)、福永ちな(-1)、南明奈(-1)、類家明日香(-1)
　　　　 ［＝79位T、45．6］
　――――――――――――――――――――――――
　17.　秋山奈々(-2)、浅香友紀(-1)、大久保麻梨子、
　　　　長澤奈央(+4)、浜丘麻矢(+2)、原田桜怜(+2)、松原静香、
　　　　三倉茉奈・佳奈、桜(もも)mint's(-2)、山本彩乃
　　　　 ［＝94位T、42．9］
　――――――――――――――――――――――――
　16.　市川由衣(-1)、夏川純(-1)、松本さゆき、三津谷葉子、
　　　　柳沢なな(-2)、吉原夏紀(-5) ［＝104位T、40．3］
　――――――――――――――――――――――――
　15.　榮倉奈々、中村優、福下恵美(-5) ［＝110位T、37．7］
　――――――――――――――――――――――――
　14.　インリン(-1) ［＝113位、35．0］
　――――――――――――――――――――――――
　13.　夏帆、工藤里紗(+1) ［＝114位T、32．4］
　――――――――――――――――――――――――
　12.　岩佐真悠子、鈴木亜美、緑友利恵(-2) ［＝116位T、29．7］
　――――――――――――――――――――――――
　・・・
　――――――――――――――――――――――――
　6.　　dream、沼尻沙弥香(-15) ［＝119位T、13．9］
　★―――――――――――――――――――――――★［2006年12月版］

　
　
３．アイドルブログ得点表

　続いてランキングの基となった得点表。

　◎アイドルブログ得点表［2006年11月版］
　（あいうえお順／Ａ＝更新頻度、Ｂ＝読者との交流、
　Ｃ＝内容の踏み込み、Ｄ＝読み応え、Ｅ＝面白さ、
　Ｆ＝写真、Ｇ＝オリジナリティ・ボーナス、Ｈ＝合計、
　（偏）＝偏差値、比＝前月との得点比、順＝順位）
　
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　阿井莉沙　　：３　３　３　４　３　３　０　19 （48.2）　 ０　60
　愛川ゆず季 ：４　３　３　３　３　５　０　21 （53.5）　+1　37
　相澤仁美　　：３　３　４　３　３　４　０　20 （50.9）　+1　45
　蒼井そら 　　：３　３　４　４　５　３　０　22 （56.1）　+4　33
　青山玲子　　：４　３　４　３　３　４　０　21 （53.5）　 ０　37
　小明　　 　　 ：５　２　４　５　５　４　０　25 （64.1）　 ０　 ７
　秋山奈々　　：３　３　３　２　２　４　０　17 （42.9）　-2　94
　浅香友紀　　：３　３　３　２　３　３　０　17 （42.9）　-1　94
　浅木一華　　：３　４　４　４　４　４　１　24 （61.4）　-1　11
　あさくらはるか17：5　5　3　3　3　4　0　23 （58.8）　 ０　19
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　あべなぎさ　 ：５　５　４　４　３　５　０　26 （66.7）　０　 ５
　石井めぐる　：３　３　４　３　３　３　０　19 （48.2）　+2　60
　石原朋香　　：３　３　３　３　３　３　０　18 （45.6）　０　 79
　磯山さやか　：３　３　３　３　２　４　０　18 （45.6）　+1　79
　市川由衣　　：３　１　３　３　３　３　０　16 （40.3）　-1　104
　伊藤彩華　　：３　２　３　３　３　５　０　19 （48.2）　０　 60
　井上和香　　：３　２　３　４　３　３　０　18 （45.6）　+1　79
　入船加澄実 ：４　３　４　３　３　４　０　21 （53.5）　０　 37
　岩佐真悠子 ：１　３　２　１　２　３　０　12 （29.7）　０　 116
　インリン　　　：１　３　３　３　２　２　０　14 （35.0）　-1　113
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　上田愛美　　：５　１　４　３　２　３　０　18 （45.6）　+2　79
　浦えりか　　 ：５　２　５　４　３　５　０　24 （61.4）　+2　11
　榮倉奈々　　：２　１　３　３　３　３　０　15 （37.7）　０　110
　Erina　　　　　：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　０　60
　大久保麻梨子：3　1　3　３　３　４　０　17 （42.9）　０　 94
　太田在　　　 ：４　４　４　５　５　４　２　28 （72.0）　-1　 １
　大友さゆり　 ：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　０　 60
　小倉優子　　：４　２　３　３　３　４　０　19 （48.2）　-1　60
　甲斐麻美　　：３　３　３　４　３　４　０　20 （50.9）　-3　45
　ガチャピン　 ：５　３　４　３　４　４　０　23 （58.8）　０　 19
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　加藤沙耶香 ：５　３　４　５　４　４　０　25 （64.1）　０　 ７
　加藤美佳　　：５　３　４　３　３　３　０　21 （53.5）　０　 37
　金田美香　　：５　３　４　３　４　５　１　25 （64.1）　-1　 ７
　夏帆　　　　　：２　１　３　３　２　２　０　13 （32.4）　０　114
　鎌田紘子　　：５　１　４　４　３　３　０　20 （50.9）　+2　45
　川原真琴　　：３　２　３　３　３　４　０　18 （45.6）　-2　79
　河辺千恵子 ：４　２　４　４　５　４　１　24 （61.4）　+1　11
　川村ゆきえ　：３　２　３　３　３　４　０　18 （45.6）　０　 79
　木嶋のりこ　：３　３　４　４　３　３　０　20 （50.9）　+1　45
　北乃きい　　：３　３　３　２　３　４　０　18 （45.6）　 -1　79
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　吉川麻衣子 ：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　０　 60
　喜屋武ちあき：5　2　４　４　４　４　０　23 （58.8）　０　 19
　京本有加　　：４　３　４　３　４　４　０　22 （56.1）　０　 33
　草場恵　　　 ：３　３　４　３　３　４　０　20 （50.9）　+1　45
　工藤亜耶　　：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　+1　60
　工藤里紗　　：２　１　３　２　２　３　０　13 （32.4）　+1　114
　ゴールデン小雪：4　4　4　4　4　5　0　25 （64.1）　-1　 ７
　小阪由佳　　：４　３　３　３　３　４　０　20 （50.9）　-1　45
　斎藤夢愛　　：３　３　３　３　３　３　１　19 （48.2）　-2　60
　サエコ　　　　：３　２　３　３　３　４　０　18 （45.6）　０　 79
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　酒井若菜　　：４　５　４　５　４　４　０　26 （66.7）　+1　 ５
　桜井桃花　　：５　１　５　５　３　５　０　24 （61.4）　新　11
　佐々木梨絵 ：４　３　４　４　３　４　０　22 （56.1）　-2　33
　佐藤江梨子 ：５　１　３　２　３　４　０　18 （45.6）　-3　79
　里中あや　　：３　３　３　４　３　４　０　20 （50.9）　+1　45
　佐野夏芽　　：３　１　３　３　３　５　０　18 （45.6）　新　79
　しほの涼　　 ：５　１　４　３　３　４　０　20 （50.9）　-1　45
　島野亜希子 ：３　３　４　３　３　４　０　20 （50.9）　 -2　45
　下川みくに　 ：４　３　３　２　３　３　０　18 （45.6）　新　79
　鈴木亜美　　：２　１　２　２　２　３　０　12 （29.7）　 ０　116
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　すほうれいこ：３　５　４　４　３　４　０　23 （58.8）　０　 19
　ソニン　　　　：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　+1　60
　高梨臨　　　 ：４　４　３　３　３　４　０　21 （53.5）　-2　37
　田崎りさ　　 ：４　３　４　５　３　５　０　24 （61.4）　+18　11
　田代さやか　：４　３　３　４　４　５　０　23 （58.8）　+2　19
　辰巳奈都子 ：４　４　４　４　３　５　０　24 （61.4）　+2　11
　手塚りえ　　 ：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　０　 60
　時東ぁみ　　 ：５　２　３　３　３　４　０　20 （50.9）　-1　45
　dream　　　　：１　１　１　１　１　１　０　 ６ （13.9）　０　119
　長尾麻由　　：５　３　３　３　３　５　１　23 （58.8）　０　 19
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　永岡真実　　：３　３　３　３　３　３　０　18 （45.6）　-1　79
　中川翔子　　：５　１　５　５　５　５　１　27 （69.3）　０　 ２
　中澤優子　　：３　４　３　４　３　４　０　21 （53.5）　新　37
　長澤奈央　　：３　２　２　４　３　３　０　17 （42.9）　+4　94
　中村知世　　：３　３　３　４　３　３　０　19 （48.2）　+1　60
　仲村みう　　 ：５　３　４　３　３　５　０　23 （58.8）　０　 19
　中村優　　　 ：２　３　３　３　３　１　０　15 （37.7）　０　110
　夏川純　　　 ：３　２　３　１　２　５　０　16 （40.3）　-1　104
　二階堂瞳子 ：５　５　４　５　４　４　０　27 （69.3）　+2　 ２
　沼尻沙弥香 ：１　１　１　１　１　１　０　 ６ （13.9）　-15　119
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　橋本彩　　　 ：５　４　４　４　３　４　０　24 （61.4）　-1　11
　長谷川恵美 ：４　３　３　３　３　４　０　20 （50.9）　０　45
　花井美理　　：４　３　３　２　３　４　０　19 （48.2）　新　60
　塙花澄　　　 ：５　５　４　４　５　４　０　27 （69.3）　０　 ２
　浜丘麻矢　　：２　３　３　３　３　３　０　17 （42.9）　+2　94
　浜田翔子　　：５　２　３　４　３　５　０　22 （56.1）　-1　33
　原田明絵　　：５　３　４　４　３　４　０　23 （58.8）　０　 19
　原田桜怜　　：３　３　３　２　２　４　０　17 （42.9）　+2　94
　ハレンチパンチ：4　3　4　4　4　3　１　23 （58.8）　０　 19
　疋田紗也　　：３　３　３　４　３　３　０　19 （48.2）　-2　60
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　平田薫　　　 ：５　２　４　４　４　４　０　23 （58.8）　０　 19
　平田裕香　　：３　２　３　４　４　３　０　19 （48.2）　０　 60
　平塚奈菜　　：４　３　４　４　３　５　０　23 （58.8）　-1　19　
　福下恵美　　：２　１　３　３　３　３　０　15 （37.7）　-5　110
　福田沙紀　　：４　３　３　３　３　４　０　20 （50.9）　０　 45
　福留佑子　　：３　３　４　４　３　４　２　23 （58.8）　０　 19
　福永ちな　　 ：３　３　３　２　３　４　０　18 （45.6）　-1　79
　福之上真友 ：４　３　３　３　３　４　０　20 （50.9）　０　 45
　藤岡麻美　　：３　４　３　３　３　３　０　19 （48.2）　-1　60
　松嶋初音　　：３　２　４　５　５　４　０　23 （58.8）　０　 19
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　松原静香　　：２　３　３　３　３　３　０　17 （42.9）　０　 94
　松本さゆき　：２　３　３　２　２　４　０　16 （40.3）　０　104
　松本美佳里 ：３　３　３　４　３　４　０　20 （50.9）　-3　45
　松本莉緒　　：５　３　４　４　３　４　０　23 （58.8）　新　19
　眞鍋かをり　：２　２　４　４　４　２　１　19 （48.2）　-2　60
　三倉茉奈・佳奈：1　3　2　5　3　3　０　17 （42.9）　０　104
　満島ひかり　：３　３　３　３　３　４　０　19 （48.2）　０　 60
　三津谷葉子 ：２　３　３　２　２　４　０　16 （40.3）　０　104
　緑友利恵　　：１　２　２　２　２　３　０　12 （29.7）　-2　116
　南明奈　　　 ：４　２　３　２　３　４　０　18 （45.6）　-1　79
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ Ｅ　Ｆ　Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　順　
　桜(もも)mint's：2　3　２　３　３　４　０　17 （42.9）　-2　94
　森幸子　　　 ：５　５　４　４　３　３　０　24 （61.4）　-1　11
　柳沢なな　　 ：１　３　３　３　３　３　０　16 （40.3）　-2　104
　山本彩乃　　：３　３　３　２　２　４　０　17 （42.9）　０　 94
　山本沙織　　：３　５　３　３　３　４　０　21 （53.5）　+1　37
　吉井怜　　　 ：３　４　４　３　３　４　０　21 （53.5）　０　 37
　吉野紗香　　：２　３　４　４　３　３　０　19 （48.2）　+1　60
　吉原夏紀　　：１　３　３　３　３　３　０　16 （40.3）　-5　104
　リア・ディゾン ：3　3　４　４　３　３　０　20 （50.9）　０　 45
　類家明日香 ：４　３　３　２　２　４　０　18 （45.6）　-1　79
　　　　　　　　　Ａ　 Ｂ　Ｃ　Ｄ　Ｅ　Ｆ Ｇ　Ｈ　（偏）　 比　 順　
　平均値　　 ：3.4 2.8 3.3 3.3 3.1 3.7 - 19.7 （50.0）　-　 -
　中央値　　　 ：３　３　３　３　３　４　-　19　　-　　 　-　 -
　最頻値　　　 ：３　３　３　３　３　４　-　19　　- 　　　-　 -

　
　
４．上位ブログの得点変化について

　今回も、25点以上得点しているブログで、前回から得点に変化があったものに関して、その理由を簡単に説明。

・太田在（-1）：更新のない日が２日あり、更新頻度が-1。
・二階堂瞳子（+2）：実家への帰省などがあり更新量が増え、読み応えが+1。引用、パロディを多用した突飛な文により、面白さで+1。
・酒井若菜（+1）：更新日が増え、更新頻度が+1。
・金田美香（-1）：更新数が減り、読み応えが-1。
・ゴールデン小雪（-1）：更新のない日が３日あり、更新頻度が-1。
　
　
５．その他

・今回「オリジナリティ・ボーナス」を加えたのは、浅木一華の「トラックバック数でプレゼント企画」。

・次回（2007年1月分）から各項目10点満点による採点を実行予定。各項目10点満点にすると、もっと得点がばらけて順位変動も起こりやすく、おもしろくなることが見込まれる。

沢木耕太郎 『テロルの決算』

　沢木耕太郎 『テロルの決算』 （文春文庫、1982年）
　
　
　1960年の浅沼稲次郎暗殺事件で交錯するまでの、17歳の右翼テロリスト・山口二矢と社会党委員長・浅沼稲次郎のそれぞれの人生を追ったルポルタージュ。

　事実関係を知るにはいいけれど、「山口二矢がなぜ凶行に及んだのか？」を知るには、彼の人格や考えといった内面への踏み込みが不十分。
　
　
　山口二矢は以下のように言っている。

「 左翼指導者を倒せば左翼勢力はすぐ阻止できるなどとは考えていませんでしたが、これらの指導者が現在までやってきた罪悪は許すことができなく、一人を倒すことによって今後左翼指導者の行動が制限され、煽動者の甘言によって付和雷同している一般の国民が、一人でも多く覚醒してくれればそれでよいと思いました。 」（p80）

　けれど、「文庫版あとがき」で著者自身が書いているように、まだ大人になりきれない17歳のときに人を殺したいと思うことは誰にでもあることである。

　そして、「 あの時の浅沼の行為（※右翼の反発を買った発言）は、だから結局、あの時の山口二矢の行為は、国際政治の前にはまったく無効だったとだけはいえる 」（p319）のである。

　人を殺したいと思ったとき、人は二つの感情を抱く。殺したいという気持ちと、殺すことにどれだけ意味があるのかという気持ちである。

　ましてや政治テロであるなら、この後者の視点が重要になる。

　けれど、この本の山口二矢には、このことについて深く考えているところが出てこない。

　そして、「浅沼なぞという小物」（by右翼の杉本広義、p292）を殺したところで現実政治は変わらないということは当時でも想像できたはずだ。

　本当に山口二矢は天皇のことを思い、天皇を中心とした国家を作りたかったのだろうか？

　ただ「嫌い」という私的な（あるいは実存的な）未熟な感情に突き動かされて凶行に及んだようにしか見えない。

　ウェーバーのいう「責任政治家」という点からも、ニーチェの「価値転倒」という点からも問題がある。

　つまるところ、所詮は右翼も（左翼も）、一個人の実存にかかずらっているセブンティーンにすぎないということなのだろう。
　
　
　
　その後の展開を見ると、結局、山口二矢の行動のあるなしにかかわらず、社会党は政権を取ることも、政権を取れるまで自民党に肉薄することもなく、消滅寸前という状態にまでなる。

　そして、今この暗殺事件が取り上げられるとしても、それは“劇的な写真・映像を見たい”という人々の「覗き見根性」を満たすためにすぎない。

　犯行後、自殺するまで一貫して自らの行為に満足していた山口二矢の一生とは一体何だったのだろうか？
　
　
　この本を読み終わっての第一の感想は「虚しい」というものであった。

アイドル関連ネタ

　ついにアイドルブログ・ランキング、越月。

　自分で自分を「遺憾」て呼びたい。

　事情を話すと、今回から10点満点にしようと10点での採点を始めてみたら、思いのほか時間がかかり、このままではとても1月中に終わらないと途中で思い、急遽５点満点での評価に戻して再び採点し始めたら、もう少しのところで結局間に合わなかった、という次第。

　そんなわけで、「12月版」は今週末にアップ予定確率95％。
　

　
　
　ということで、せっかくだから、ここでは、アイドルに関係するネタを３つほどメモのようにご紹介。
　
　
・いつも硬い自分に自戒を込めて。こんな風にかわいく社会問題を語ってみたい。

　――平田薫 作 『テポドン』
　――高梨臨 作 『人類の進化』
　
　
・会社員＆評論家＆翻訳家で、怖いもの知らずの山形浩生がアイドル写真集について評論している。短いけど。

　――山形浩生 作 『山形浩生、アイドル写真集を語る』
　
　
・まな・かなの卒論テーマ選定をめぐって、ネット論壇系の学者が警鐘を鳴らしている。チャットのネタにしても、当人たちのキャラ的によろしくない。

　――三倉茉奈・佳奈 『卒論テーマを考える』
　――三倉茉奈・佳奈 『卒論テーマ、大募集！？』

武田徹 『ＮＨＫ問題』

　武田徹 『ＮＨＫ問題』 （ちくま新書、2006年）
　
　
　「公共放送とは何か？」についてちょっと変わった視点から論じている本。

　話題になっていたＮＨＫの諸問題を直接論じているのではなく、そういった問題の論議の前提にあるべき原理的な問題を考察している。タイトルはミスリーディング。

　「“体育”としてのラジオ体操」と公共性を結び付けて話を進めたりと、問題の切り口、論証の過程は独特。ちょっと大澤真幸っぽい。

　だから、読み物としての面白みがある。
　
　
　けれど、最後の、公共放送＝ＮＨＫのあり方に関する結論・提言には賛同しかねる。

　２つの主張に関して述べる。

　１つは、公共放送＝ＮＨＫは、不遇な人の存在に光を照らす存在になるべきだという主張。

　いわば、「公共」放送であるＮＨＫだからこそ、理想的なジャーナリズム機関になるべきだというもの。

　もう１つは、そういう理想的な公共放送にＮＨＫがなれば、視聴者（市民）はＮＨＫの存在を積極的に擁護するようになり、受信料を義務ではなく自分たちの権利として捉えるようになるというもの。

　つまり、視聴者が自発的にＮＨＫの存在を必要だと認め、自発的に受信料を払うようになるというもの。逆から言えば、公共放送（ＮＨＫ）に対する不満の伝達回路として受信料不払いも認めるべきだとしている。
　
　
　言うまでもないくらい明らかなことだけど、どれだけ理想的な人間たちを想定しているのか。現実離れも甚だしい。

　ＮＨＫは今の日本の報道機関の中でもっとも公務員的な機関であって、ジャーナリズムとはもっとも遠いところにいる。

　そして、多くの国民は、そういうＮＨＫの硬さ、真面目さ、（建前としての）公平中立さを、多少の政府寄りなところに目をつぶってでも支持しているのだ。

　それから、ＮＨＫが望ましい機関になれば視聴者が受信料を自発的に払うというのも、理論的にも現実的にもあり得ない。

　おそらく、受信料は漸減していき、ＮＨＫが破綻寸前という苦しい状況になって、広告収入に頼る一民放に堕するか、政府にいいように介入・利用されるかのどちらかだ。

　そんなわけで、著者の提言は方向性にも実現可能性にも重大な欠陥がある。

「 好きになれない人間のタイプが二通りある。「公共性」を口癖のように軽々しく言葉にする手合いと、「ジャーナリズムかくあるべし」と説教するような輩だ。 」（p7）

　と、冒頭に述べているのと同じ人とは思えない。
　
　
　
　とはいえ、硬くて真面目で公正中立（で多少政府寄り）な報道を、“政府の介入なしに”実現する必要が当然にある。

　けれど、ＮＨＫというのは、常識とか、バランス感覚というものが驚くほどないから恐ろしい。

　ここのところの『ニュース・ウォッチ９』は、本当に目に余るくらいに特定のニュースを多く放送して（政府の機嫌を取って）いる。　（ＮＨＫ最後の砦は『ニュース７』ではあるのだけど。）

　これでは（建前としての）公正中立が成り立たない。

　果たしてＮＨＫは、政府の側につくのか、国民の側につくのか？

　（※念のため。常識のないＮＨＫは、「国民のため」というと「国民におもねること」を短絡的に思い描く癖があるのだけど、ここでいう「国民の側」というのは「硬くて真面目で公正中立な情報伝達を行うこと」を意味している。）
　
　
　ちなみに、ＮＨＫがいかに政府寄りの報道をし、政府の正統化機能を果たしてきたかについては、エリス・クラウス『ＮＨＫｖｓ日本政治』がある。（途中までしか読んでないけど。）

大江健三郎 『Ｍ／Ｔと森のフシギの物語』

　大江健三郎 『Ｍ／Ｔと森のフシギの物語』 （講談社文庫、2007年）
　
　
　1986年の作品の文庫化。ノーベル賞受賞に際して評価された作品でもある。

　本の裏側の説明文で内容を紹介。

「 祖母から聞いた、四国の森の奥深くに伝わる「壊す人」と「オシコメ」の創造の物語を、ＭとＴという記号を用いて書き記す。時の権力から独立した、一つのユートピアがつくり出される奇想天外の物語は、いつしか二十世紀の作家が生きる世界、われわれの時代に照応していく。海外で最も読まれている大江作品。 」

　「飼育」や『芽むしり仔撃ち』といった初期作品における閉ざされた共同体の世界と、最近の作品である『取り替え子』や『憂い顔の童子』における森の神話の世界とが適度に融合されている。

　換言すれば、現実の人間の暗くて沈潜した奥深いところと、ファンタジックな森の神話の世界の両者が、適度に緩和されつつ融合されている。

　だから、読みやすいし、おもしろい。
　
　
　
　思うに、内容からすると、日本人保守主義者なら絶賛すべき一作。