忍者ブログ
by ST25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 昨日アップ予定だったアイブラの作成がまだまだ終わっていない。

 このタイミングを逃したということは、次にアップが予想されるのは来週後半。

 どんなに遅くなろうとも打ち切るつもりは全くない。

 けれど、今回(1月版と2月版)に関してはあまり焦らずに待たれよ、という心境。

PR

 ボブ・ウッドワード 『ブッシュのホワイトハウス(上下)(伏見威蕃訳/日本経済新聞出版社、2007年)
 
 
 ウォーターゲート事件を暴いた記者によるブッシュ政権内幕物「ブッシュの戦争」の第3弾。

 アメリカの対イラク戦後政策が失敗した過程が克明に描かれている。

 自分は正しくて全能だと(自覚なしに)信じ込み、ネガティブな情報やそういうことを口にする人員を近づけないという、あまりにベタな人間の弱さが、超大国の中枢で、主権国家間の戦争という超重要マターにおいて出てしまった。

 描かれる(やり玉に挙げられる)のは、ラムズフェルド前国防長官を中心に、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、軍のトップである統合参謀本部議長など。

 アメリカからすれば政治も経済も宗教も全く違う遠く離れた国で行っている戦争であるにもかかわらず、ワシントンの人々が現地にいる軍人や行政官の情報や意見に耳を傾けないというのは、なんとも喜劇的である。

 無能なリーダーを持つことが、いかに自国にとっての“安全保障上の脅威”であるかを思い知らされる。

 実際、アメリカは対イラク政策の大失敗(と9.11を防げなかったこと)で、イランや北朝鮮など敵対している国家に対する抑止力を減じてしまったと考えられる。
 
 
 日本にとって、アメリカのこのパワーの浪費はどのようなことを意味しているのか。簡単に思考実験してみよう。

 今後、“数十年”に渡って、“世界の警察”アメリカによる抑止の実効性が怪しくなり、また、アメリカ国内でも対外不干渉で内向きなモンロー主義が主流になることが予想される。(「イラクの後遺症」とでも呼べる。) さらに民主党政権になるとするなら、親日より親中路線になることが予想される。(これは冷戦終焉後においてクリントン民主党政権が(たった)8年続いたのとは訳が違う。)

 この場合、東アジアにおける「日米対中朝」という構図が変わりうる。

 すなわち、アメリカの抑止力の低下および強硬路線の放棄に、アメリカと仲良くしたい中国と中国と仲良くしたいアメリカとの利害の一致が加わり、北朝鮮に対する態度で米中が妥協すると思われる。すると、「米中+朝と、孤立する日本」という構図になりうる。(この場合、日韓が近づくかもしれない。)

 こうなった場合、日本は対米追従からの脱却が進めやすくはなるだろうが、(アメリカがいる限り武力衝突にはならないにしても、)中朝との緊張関係が高まり、東アジアでの孤立を深める可能性がある。

 これは良いシナリオではない。

 これを回避するには、(これまでの話の前提を覆すが、)そもそも、日米関係を徹底して維持するか、米中がくっ付く前に日中の親密さを上げておくか、もしくは、スイスみたいな完全な独自路線を歩むかしかないように思える。

 これはかなり単純で大雑把で過激(※ここ重要。言い訳。)な一推量だけど、日本にとってイラク政策失敗のインパクトが大きいことに変わりはない。

 そして、それがマイナスの結果になったとき、ラムズフェルドはこの本を基に、将来の日本人から恨まれることだろう。

 柿喰う客・第9回公演 『女体カーニバル』 (作・演出:中屋敷法仁/2007年3月21日~4月1日/@王子小劇場)
 
 
 「柿喰う客」は、2006年10月の「ラゾーナ川崎プラザソルOPEN記念10団体合同公演」での『人面犬を煮る』を観て、「最高だ」と思って以来2度目。

 今回の公演は『女体カーニバル』と称し、「サバンナの掟」、「口だけの女」、「他人の不幸」という繋がりがありつつも独立した3作品が交替交替に上演されている。

 3作品とも観た。

 3作品ともおもしろかった。

 安逸をむさぼっている脳を、危険にさらしたり(「闘わなきゃ現実と」by役所広司)、活性化させたり(「アハ体験」by茂木健一郎)してくれるおもしろさ。あるいは、活発に働いている脳を、軽々と飛び越えていく(「シンジラレナ~イ」byヒルマン監督)おもしろさ。
 
 
 それで作品の内容だけど、説明するのが実に難しい。

 なんせ、27人も出演者がいて、その27人のほとんどが強烈なキャラを持っていて、最初から最後まで考える暇がないほど無駄なくどんどん進んでいって、展開も途中でマジなダメ出しをしだしたり出演者全員で歌いだしたりと多彩なアイディアが取り入れられていて、台詞も映画、アニメ、CM、企業名、商品名、ニュース、歴史の教科書、18禁な性用語など幅広いレファレンスがあって、それでいて、メインのストーリーには社会派なメッセージがある、という作品なのだ。(これでもまだ到底言い尽くせていない。)

 そんなわけで、自分にとってポイントだと思うところについて、いくつか書いていこうと思う。
 
 
 1つ目。中屋敷法仁。

 今回分かったのは、自分が、柿喰う客が好きというより、劇団の代表で、作・演出・出演をしている中屋敷法仁が好きだということ。

 作家・演出家としても、役者としても、素晴らしい。本当にその才能に惚れ惚れする。 (※その内容に応えられる役者が集まって初めて、一つの芝居として成り立つことは言うまでもない)

 まだ、20代前半(23?)だけに、今後の成長と活躍が期待される。
 
 
 2つ目。リアリティ。

 上で書いたことを見ると、この舞台はただおもしろおかしくふざけているだけに思えるかもしれない。

 しかし、随所で、人間の内面や社会に関する(批評性のある)リアリティを感じさせる。

 例えば、台詞に多用される、フェラチオなどの放送禁止な性用語。

 この種の言葉を公の場で聞くことは皆無だが、男性にとっては、私的な会話や頭の中でごく普通に使われる、というか人生のかなりの時間において、この種のことが頭の多くの部分を占めていることは否定しがたい事実である。 (※ただ、これは女性にとっては共感しにくいかもしれず、この点、この芝居の射程範囲や普遍性を低めてしまっている。エンターテインメントとして見た場合だけど。)

 これは、現実をありのままに表現することによるリアリティの提示だが、その一方で、アイロニカルな方法によって表現されるリアリティもある。

 例えば、市内を不幸だらけにしようとする市長。

 なぜ、そんな、実際の市長たちとは“真逆”のことをするのか? 

 その答え、それは「他人の不幸」のメイン・メッセージだが、すなわち、「大衆は他人の不幸を待ち望んでいる。そして、不幸になった者はその不幸によって(悲劇のヒーローや主人公としての)生きがいを見つけることができる。」つまり、皆が不幸を望んでいる、のである。

 これは、日々のワイドショーを見ればすぐに納得される現実である。
 
 
 3つ目。二階堂瞳子。

 この舞台には、このブログに今回の舞台の宣伝も含め何回かコメントして頂いたことのある二階堂瞳子が、3作品全部に客演している。

 二階堂瞳子in柿喰う客は、自分が柿喰う客を知ることになった舞台『人面犬を煮る』のときにもあった。 (というか、正確には、二階堂瞳子目当てで柿喰う客の舞台を観た。)

 正直に言えば、そのときの(口裂け女の)演技は、柿喰う客の中では、役どころを考慮したとしても、軽くて浮いてるような感じがしたものだった。

 けれど、今回は、3役ともしっかりと柿喰う客の舞台の中に溶け込んでいた。というかむしろそれに止まらず、(自分が観た回で、という限定は付くけど)「サバンナの掟」と「他人の不幸」では、舞台の雰囲気を作るのに貢献する好演であった。 (ちなみに、「口だけの女」では、“キモキャラ”というベースライン(基本線)からズレるポイント(点)がなく、平坦で笑いどころがなかったような気がした。ベースラインのレベルは高いと思うんだけど。)
 
 
 4つ目。王子小劇場。

 この劇場、こんな風に論じられるほど有力な劇場らしい。

 だとしても、観客にとっては優しくない。

 かなり狭い上に、客席内の高低差はあまりないし、客席と舞台との高低差もあまりない。

 窮屈だったり舞台上が見えなかったりすると、芝居を楽しむどころではない。

 こんな観客に優しくない劇場が有力であるのなら、進化や成長をもたらしてくれる最低限のマーケット・メカニズム(もしくは自浄作用)さえも機能してないということを表している。

 そして、これは小劇場演劇全体にも当てはまる問題だと思われる。
 
 
 とりあえず、こんなところ。

 周辺的なことばかり書いていて、おもしろさの核心的な部分について言葉にすることができていないのは、力不足ゆえに仕方ないとは言え、なんとも残念。

 けど、本当におもしろかったんだ。

 片岡鉄哉 『核武装なき「改憲」は国を滅ぼす(ビジネス社、2006年)
 
 
 ネットで検索してみるとなかなか評判な本。

 主な主張はタイトル通り。

安倍首相に直言したいのは、日本に好意的なブッシュ政権が続いているうち(注:2008年まで)にできるだけのことをやっておいてほしいということだ。それを列挙しておけば――、
 ①日本の集団的自衛権行使による日米攻守同盟の確立。
 ②憲法の改正(注意書き略)
 ③日本の核武装 (pp12-13)

 
 
 ただ、自分に関心があるのは90年代後半の日本の政治と経済の動向である。

 しかし、この点、解釈・主張の前提になる事実認識に問題がある。

クリントンは橋本首相に「景気刺激策をやれ」「公共投資をやれ」と注文をつけてきた。ところが日本は、それ以前に、アメリカ国債をかなり大量に買っていたため、橋龍は「日本はやるべきことはやった」と思っていたのだろう、クリントンの注文を軽くあしらった。するとクリントンは、 (中略) 中国からの帰途、東京へ立ち寄らなかった。 (中略) それがシグナルになって、ニューヨーク・タイムズが急に橋龍叩きをはじめ、自民党は次の参院選挙に敗れてしまった。それ以後、橋龍の運は二度と元には戻らなかった。 (pp14-15)

 重複するが、もう一つ詳しい説明を引用。

橋龍の金利操作(注:1996年5月の大蔵省による公定歩合引き下げ。p54)で再選されたクリントンは大喜びで、ここに「ビル・リュウ」の蜜月がはじまったが、しかし長続きはしなかった。クリントンの二期目に、日本の不況がじつは恐慌であることがわかってきたからだ。そこで財務長官ローレンス・サマーズは景気刺激策としての「公共投資」と「減税」をやいのやいのと要求してきた。察するに、橋龍総理はムッとしたのであろう、アメリカの要求を軽くあしらった。
 それに対するクリントンの反撃は、一九九八年七月の参院選の直前に来た。六月に訪中したクリントンは帰途、東京に立ち寄ってブリーフィングすることを避けたのである。 (中略) しかも選挙戦の最中に、ニューヨーク・タイムズの東京支局長ニコラス・クリストフが一面トップで「ハーバート・フーバー・ハシモト」への総攻撃をはじめた。橋本総理はアメリカに大恐慌をもたらしたフーバー大統領と同じことをやっている、と書き立てたのだ。この介入で自民党は惨敗した。 (p55)

 “確実な”誤りを2点指摘しておこうと思う。

・「1996年5月」に公定歩合は引き下げられていない。公定歩合は1995年9月から2001年2月まで0.5%で変化していない。「1996年5月」という表記が「1995年9月」の単純な表記ミスだったとは受け取れない。なぜなら、橋本龍太郎が首相に就任したのは、公定歩合が底値になって以降の1996年1月だからである。つまり、「橋龍の金利操作で~」という事実認識は誤り。

・ニューヨーク・タイムズ紙のクリストフによる「橋本総理=フーバー大統領」という批判記事が掲載されたのは、「選挙戦の最中(98年7月)」ではなく、1997年12月17日のことである。(Sheryl WUDUNN with Nicholas D. KRISTOF “INTERNATIONAL BUSINESS; Japan, Economic Power Aside, Seems Paralyzed by Asia Crisis”) また、クリストフによる橋本首相批判は、クリントンの訪中以前の98年4月からすでに行われている。

 もちろん、これら以外にも、「クリントンは元々親中なのでは?」とか「アメリカの介入によって自民党は参院選で敗北したのか?」といった疑問点はある。
 
 
 いずれにしても、そんなわけで、90年代後半の日本の政治・経済に対する新しい見方を得られるようなまともな本ではなかった。

 3月末までに完成させるつもりだったアイドルブログ・ランキング[1月版]・[2月版]が終わらない。

 現在、両月ともに、採点が終了しているのは46人。

 平均して1日10人ペースで進めて4月9日(月)にアップする。これは固い。

 ちなみに、今回から各項目10点満点で採点しているため、今までのところ、最高点と最低点で24点の差が付いている。

 前回のランキングでは「更新なし」を抜かせば得点差は16点だったから、今まで以上に順位がばらけるのは確実。

 以上。

 時間の流れに負けずに頑張る。
 
 
 ところで、「アイドルブログ・ランキング」を呼びやすくするいい略称はないものか?

 「IBR(アイ・ビー・アール)」、「BRI(ブリ)」、「RIB(リブ)」、「アイブラ」、「アブラ」、「アブラン」。

 別にコミカルな名前を求めてはいないのだが。

カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[10/20 新免貢]
[05/08 (No Name)]
[09/09 ST25@管理人]
[09/09 (No Name)]
[07/14 ST25@管理人]
[07/04 同意見]
最新トラックバック
リンク
プロフィール
HN:
ST25
ブログ内検索
カウンター
Powered by

Copyright © [ SC School ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]