忍者ブログ
by ST25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 ヒヨコ舎 『本棚2(アスペクト、2008年)


 作家などの本棚を写真と本人への本についてのインタビュー付きで収録している本。収録されているのは、有栖川有栖、神林長平、都築響一、西加奈子、やくみつる、山崎ナオコーラ、夢枕獏など14人。

 人の本棚を見るのはとても楽しい。本を読むことと同様に本を集めることにも楽しみを感じる人間にとっては。

 「おおやっぱり」という本があったり、「こんなのも読んでるの」という意外な本があったり、自分も持ってる本があって妙な仲間意識を持ったり、自分が存在さえ知らなかったおもしろそうな本があったり・・・・。そして何より、本の詰まった本棚の姿は壮観だ。


 ちなみに、個人的には有栖川有栖の本棚が一番自分の趣味に合う。量が多くて、でも秩序だってて、そして本以外の余計なものが少なくて、ってのがいい。

PR

 瀬川松子 『中学受験の失敗学――志望校全滅には理由がある(光文社新書、2008年)


 中学受験に取り“憑かれ”、“疲れ”果てる「ツカレ親」の惨状を中心に、中学受験の現状を、その負の側面も包み隠すことなく詳(つまび)らかにしている本。

  中学受験を主題にした単行本や雑誌記事に見られるアドバイスは、どれも「そこそこ知的環境が整った家庭」の「そこそこ頭のいい子」にしか通用しない理想論ばかり (p13)という疑問が、著者の執筆動機。

 自分の子どもを思う気持ちは分かるが、自分とその自分が育てた子どもの頭の悪さに気づかない親たちの実例がいろいろ紹介されていて、おもしろい。

 ただでさえ、自分以外の他人に何かをさせることは難しいのに、それが遊びたい盛りの子どもとなるとなおさらだ。

 それに、結局のところ、“できる子”というのは親がいちいち言わなくてもある程度は自分でできるものなのではないだろうか。(12歳であっても。)

 そして、もしそうであるならば、親がいちいち何から何まで言わなければならない時点で、ダメ、あるいは、厳しい戦いを強いられるのではないだろうか。


 卓球の福原愛が小さい頃、「天才少女」と話題になり、その練習の様子がテレビでしばしば流されていた。それはもう地獄絵図で、本人は泣きじゃくってるのに親が厳しく叱ってワンワン泣きながら練習をさせているという映像だった。いくら小さい子どもで、いくら親だからといって、そこまで人格を尊重しなくていいのかと嫌悪感をもったものだ。無理やりやらせるだけなら、ただの奴隷だ。悪いことをしたから叱られるというのと、(仕事というわけでもない)卓球ができないから叱られるというのとでは質が違うだろうし。

 要は、人を人として見る、ただそれだけのことだ。

 町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない(文藝春秋、2008年)


 本当にトンデモないアメリカの政治・経済・社会の実像を、冷ややか、かつ、おもしろくレポートしている本。

 ブッシュ大統領のブッ飛んだ逸話が(マイケル・ムーアなどから)伝わってきたときも、アメリカはさすがにハンパないなぁと思ったけど、それらに勝るとも劣らないスゴイ話の数々が収録されている。

 例えば、見出しからいくつか拾っただけでも、「「9.11テロはホモなアメリカへの神罰!」」、「「女に選挙権を与えるな」と言う女性政治評論家」、「子どもにブッシュを拝ませる洗脳キャンプ」、「隠れゲイの反ゲイ政治家とヤったゲイ募集!」、「ミッキーマウスを十字架にかける牧師」なんてものがある。

 その他にも、外国で無辜の市民を勝手に拉致して拷問し、結局、ただの一般人だと分かり解放し、全く責任を取らない、なんていう北朝鮮まがいの行為までアメリカが行っている事実も書かれている。

 しかし、これらの喜劇的な現実の存在にもかかわらず、アメリカが世界に冠たる先進国として経済発展し、優秀な人間を輩出したりもしているのは、やはり、「自分のことは自分で好き勝手やるべきだし、他人のことなんか知らない」っていうような分断的で冷徹な自由主義・個人主義のためなのだろうか? でなければ、そんな現実は何とかしようとするのが普通だろうと、日本人の自分には思える。


 さて、それにしても、ブッシュが地の果てまで落とした世界の中でのアメリカの評判を、そして、トンデモないアメリカの現実を、オバマは変えることが出来るのだろうか?

 高橋洋一(原作) 『マンガ霞が関埋蔵金(脚色:東史朗、漫画:シュガー佐藤/晋遊舎、2008年)


 小泉・安倍政権下で(主に竹中平蔵の手足として)郵政民営化や財投改革のシステム設計を担った官僚が書いた、『さらば!財務省』(講談社)を漫画化したもの。

 漫画化されて内容が平易になっているところは確かにある。

 けれど、基本的には文字によるダラダラとした説明が続いていて、漫画という媒体の良さは活かされていない。

 話も、ストーリー性やドラマ性はむしろ原作よりも失われてしまっている。(思うに、悪役(官僚や族議員や増税派議員)の描き方がぬるい。)

 そんなわけで、このマンガの存在意義は小さい。これを読むなら原作を読んだ方が良いと思う。(個人的には原作・原作者を評価してないけど。→原作の感想


 それにしても、まあ、小泉政権って何だったんだろうか? 本当に存在していたのだろうか? なんてことを思ってしまうほど、安倍以降の政治はすっかり様変わりしてしまっている。(自民党という点では同じはずなんだけど。)

 西島大介 『ディエンビエンフー(1)(2)(3)(小学館、2007~2008年)


 ベトナム戦争をかなり戯画化・抽象化・記号化して描いたマンガ。

 いろんな人が出てきては次々と体をバラバラにされて死んでしまうあたりは、リアルではある。

 けれど、ベトナム戦争に関してはそういったことも映像によってすでに様々に描かれているから、今さらマンガで描かれてもおもしろみも意義も全くない。

 登場人物も、出てきてはすぐ死んでしまうし、ストーリーも、人が出てきては死ぬという以上のものはない。

 さらに、『地獄の黙示録』のようなベトナム戦争に関する既存の映画などの描写を(隠そうともせず)ただ真似てるだけだったりする。

 どこがおもしろいのか、何がありがたいのか、さっぱり分からない。(おもしろくも、ありがたくもないのは、よく分かる。)

カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[10/20 新免貢]
[05/08 (No Name)]
[09/09 ST25@管理人]
[09/09 (No Name)]
[07/14 ST25@管理人]
[07/04 同意見]
最新トラックバック
リンク
プロフィール
HN:
ST25
ブログ内検索
カウンター
Powered by

Copyright © [ SC School ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート and ブログアクセスアップ
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]