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佐野眞一 『クラッシュ――風景が倒れる、人が砕ける』 (新潮文庫、2009年)
JR西日本脱線転覆事故、17歳による殺人事件、雪印食中毒事件、東海村JCO臨界事故、阪神大震災、NY同時多発テロといった重大事件を追ったノンフィクション。
この手のノンフィクションは、重大な出来事を忘れないためにもいいけれど、それより、発生当時の報道を見ていただけだと、衝撃ばかりが大きくて、原因や実際の状況についての( 推測ではない確かな )情報が驚くほど貧困であるという状況を修復させてくれるところが有益。
阪神大震災のあの上空からの映像の下で何が起こっていたのか、雪印食中毒事件の背景にあった問題とは何か、そもそも東海村臨界事故はどのようにして起こったのか、同時多発テロ発生時に現地にいた日本人は何をしていたのかなど、いろいろ教えてくれる。
大事件や大事故を消費しているだけの状態には( ならないように )自覚的でありたいものだ。
ちなみに、この筆者は、まとめやコメント部分では、感傷的な、あるいは文学的な文を書く。 ただ、「ように思った」とか「ように見えた」とか断定口調ではないため、押し付けがましくならず、さほど気にはならない。
北尾トロ 『ほんわか!――本についてわからないこと、ねほりはほり!』 (MF文庫、2008年)
『ダ・ヴィンチ』誌で連載されていた、本に関するちょっとしたエッセイ風のリサーチ報告を加筆・修正したもの。
「読書好きはモテるのか」とか、「官能小説のタイトルは誰が付けるのか」とか、「絶版本は手に入るのか」(ネット普及前の話)とか、「快適な睡眠前の読書術は」とか、本好きにとって興味をそそられるものも多い。
ただ、雑誌の片隅で連載されていただけのものだから、本格的な調査が行われているわけではもちろんない。
結論もありきたりのものばかり。
そんなわけで、同じ趣味の人とその趣味に絡んだ雑談をして暇をつぶすような、そんな感じの本。
個人的には、ニューヨークの本屋事情の話に一番興味をそそられた。 全く知らなくて、多少、希望的な妄想もあるせいで。
1月28日
・ 消費を増やすために定額給付金を配るのに、なんで消費税上げるなんていう消費を抑えさせるようなことを同時に言ってしまうのか、理解に苦しむ。
・ 地デジ移行までまだ2年半もあるのに、自分たちの商品・作品の片隅に「アナログ」とかいう目ざわりな文字を入れて平気な人たちがどういう神経してるのか、理解に苦しむ。
・ 安田美沙子って誰?
1月11日
・ 戸田恵梨香のカップヌードルのCMを見た。 かわいくない・・・・。 のに、ヌードっぽいのしてる・・・・。 タイミング悪く恋愛報道もあったりして・・・・、痛すぎる・・・。 (撮り方によっては(顔は)もっとかわいくはできたはずなのに。)
まあ、それにしても、戸田恵梨香とか、相武紗季とか、長澤まさみとか、あと誰がいたっけか?・・・・、まあ、この辺の年代のトップアイドルたちは、ドラマで一回ヒロインをやったくらいでチヤホヤされてしまうという状況 (それまでマイナーなアイドルの一人だったのが、急に完全な女優扱い) のせいもあってか、職業倫理がなくてダメだ。
別に、そりゃ個人の自由ではあるのだけど、彼女たちがやっていくには、イメージで売るか実力で売るか、のどちらかしかないのは人類普遍の真実だと思うのだ。
そんなわけで(?)、たまには普通の日記風に年末年始を振り返ってみる。
☆2008年12月31日
思いのほか早く、午後1時頃に起きれたため隣町まで買い物へ。 2008年最後に買った本は、宮台真司『14歳からの社会学』、佐野眞一『クラッシュ』、ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年』の3冊。 ル・クレジオは2008年のノーベル文学賞を受賞した人。 ノーベル賞は芥川賞とかとは違って信頼できる。
大晦日の夜は、どこかで騒ぐより家で静かに過ごしたい派。
そんなわけで、テレビ。
『ガキ使』を見るつもりだったが、わざとらしさがプンプンする「山崎対モリマン」を見る気は毛頭ない。 そんなわけで、19時から20時半くらいまでは落ち着きなくチャンネルを回しながら時間をやり過ごした。 『紅白』は出演者たちの作り笑いとカラ元気が痛々しくて一瞬以上見てられない。
20時半頃、適当にチャンネルを回してて辿り着いたNHk教育のベートーヴェンの『第九』を見始める。 「第九」は好きとはいえ、消極的なやむを得ない選択。 内容的には、テノールの独唱者が良かったくらいであとは並か並以下。
それが終わった後、チャンネルを回したら『紅白』にエンヤが中継で出ていた。 さすが。 日本の他の歌手たちの酷さが際立つ。 エンヤが出てるときが瞬間最高視聴率を取らないかな、と思った。
そのあと、『ガキ使』の「笑ってはいけない~」を見始める。 が、何だか今までとは違っておもしろくない。 それでも見続けていたが、23時過ぎに若手芸人たちが出てきたところでテレビを消した。
☆2009年1月1日
昼頃起床。 午後、例年通り近所の神社に初詣。 その足で電車に乗って盛り場近くの喫茶店に行き年賀状書き。 そのあと、ブックオフへ。 収穫は、まずは105円で、これまたノーベル賞作家のナイポール『中心の発見』。 それから、UnderworldのライブDVD『エヴリシング・エヴリシング』。 こちらはかねてから探していたのが念願叶ってようやくゲット!!! このときは(年始めらしく)2009年は幸先いいなあと思った。
その後、空いてそうだったマックに寄って前日買ったル・クレジオを読み始める。 ところで、マックのホットコーヒー(プレミアム・ロースト・コーヒー)って、こんなだったっけ??? 出始めた当初はもっと美味しく感じたんだけど・・・・。
それにしても、派遣労働者やフリーターなどの非正規労働者をこれから社会的にどう扱っていくべきなのだろうか。 この種の労働形態をなくせばいいという問題でも、首切りの基準を厳しくすればいいという問題でもない。 彼らが歳を取れば取るほど格差は拡がり、その他の問題も色々と出てくる。 この課題が重くのしかかる年始めだ。
① R.デーゲン 『オルガスムスのウソ』
(赤根洋子訳/文春文庫、2006年)
② A.ベスター 『ゴーレム100』
(渡辺佐智江訳/国書刊行会、2007年/感想)
③ 上杉隆 『ジャーナリズム崩壊』
(幻冬舎新書、2008年/感想)
①は性についての俗説を科学的な知見から冷静に論じているとってもおもしろい本。おもわずにやりと笑ってしまうような内容の連発に、電車の中で読むことは断念した。
②は最初から最後まで、読後ぐったり疲れるような、そんな異様な熱気に満ちているSF小説。その熱気(の多く)がストーリーによるものではないのが異様な感じを与える。
③は日本の「ジャーナリズム」の現実をシニカルに綴った本。爆笑できてしまった本。
今年は読んだ本が少なかった。でも別に、読みたくなるような本が少なかったわけではない。そんなわけで、読み残した本がたくさんたまってしまった、そんな気持ちが残る年末だ。