by ST25
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
田原総一朗 『巨大な落日――大蔵官僚、敗走の八百五十日』 (文藝春秋、1998年)
金融ビッグバン前後(1996~98年くらい)の大蔵省の「敗走」の状況をインタビューを中心に描いたもの。
該当する出来事としては、日銀法改正、外為法改正、金融ビッグバン、住専問題、大蔵省キャリア官僚の過剰接待(ノーパンしゃぶしゃぶ)など。登場する人物としては、塩崎恭久、水野清、橋本龍太郎、与謝野馨、榊原英資、長野証券局長など。
前々回取り上げた戸矢哲朗『金融ビッグバンの政治経済学』がこの本をしばしば参考にしていて興味を持ち、ブックオフで105円で購入した。
この本は、大蔵バッシングの熱の覚め遣らぬ内に取材し、書いているだけに、当時の雰囲気を知るにはいい。
ただ、そんなわけで、この本では鋭い分析を提示したりはしていない。
そんなこの本でおもしろかった(funnyの方)のが二箇所。
一つ目がこれ。
「 ノーパンしゃぶしゃぶの接待を受けたあるキャリア官僚に聞くと、「一見の価値があると言われて、つい・・・。(中略)」とひたすら恐縮していた。」(p204)
二つ目はこれ。ちなみに、答えているのは匿名の大蔵官僚。
「 ――世論なんてしょっちゅう間違っている。ご存知でしょう。
「だけど、そういうことを言えば、大蔵省は傲慢だと、バカバカ叩かれるわけです。もう叩かれ過ぎて、本当にニヒルになっている。ニヒルですよ。」」(p226)
なんとも幼さがかわいらしい。
PR
この記事にコメントする