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 ダン・ブラウン 『ダ・ヴィンチ・コード(上)(中)(下)(越前敏弥訳/角川文庫、2006年)
 
 
 言わずと知れた超大ヒット作の文庫版。キリスト教の知られざる歴史をめぐるミステリーとハラハラドキドキのサスペンスが上手い具合に融合されていて、なかなかおもしろかった。

 ミステリーもサスペンスも片方だけだったら二流といったところだけれど、両方が綺麗に合わさることで十分に評価できる作品になっている。

 とはいえ、著者の作家としての構成の巧みさやセンスの高さは随所で感じることができる。

 しかし、それにしても、最後の終わり方は、それまでの話の展開から期待させるものとの落差が大きいし、話の途中で受けたインパクトよりも随分と小さい衝撃しかないし、不満が残る。

 それから、各巻とも300ページ弱で文字も大き目なら、単行本と同じように上下の2巻にできなかったものか。

 ところで、5月に公開される映画版の予告編はとてもおもしろそうなものだった。果たして原作を読んでいてどこまで楽しめるか。

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