by ST25
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飯田泰之 『ダメな議論――論理思考で見抜く』 (ちくま新書、2006年)
自分にとって心地良い話ばかりを受け入れるといった感情的な反応から抜け出して、客観的で冷静な立場から言説を判断する方法を示している本。
「ダメな議論」に騙されないための手軽な方法として5つのチェックポイントを挙げている。「定義」、「反証可能性」、「不安定な結論」、「データ」、「例え話」の5つ。
その上で、「ニート言説」、「食糧安保論」、「財政破綻論」といった俗説を批判的に検討している。
この手の本は類書がけっこうあることもあって、目新しさはあまりない。
とはいえ、こういうことって頭で分かってはいても実践するのが難しいから、何度も読んで自分に言い聞かせることにも意味はある。
ただ、より重要なのは、こういう(学問的な)議論の作法を無視するような人にいかに読ませるかにあるのだから、正攻法ではなく、もっと色々な工夫が必要な気がする。
そういう意味でも、本文中にいっぱい出てくる「例文」を、自作ではなく本、雑誌、新聞とかから拾ってきた方が相手を巻き込めて良かったと思う。
その方が、類書を読んでいる人からしてもおもしろいし。
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