by ST25
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小熊英二 『日本という国』 (理論社、2006年)
「中学生以上すべての人の よりみちパン!セ」シリーズの1冊。
帯の宣伝文の通り、「 近代日本のはじまりから、学歴社会の成立、戦後のアメリカやアジアとの関係、そして憲法改正から自衛隊の海外派遣まで、いまの日本を考えるうえで欠かせない基礎知識を、ひとつながりの見取り図としてやさしく提示 」している本。
総じて、感情的にならず冷静なのが良い。
それから、著者自身が勤めている大学の創立者である福澤諭吉の『学問のすすめ』における影の部分をはっきり書いたりと、物事の見過ごされがちな側面に視点を当てているのも良い。
さらに、歴史を扱う際に、現在の基準で全てを理解しようとせず、当時の時代背景や政治的取引の存在に注意を払っているのも良い。
勉強や学歴社会の意義、帝国主義時代の現実、アメリカの占領政策の変遷など、いかにも学校では避けられてしまいそうなテーマを扱っていて、このシリーズの編集の意図をしっかり果たしている手軽な“よりみち”入門書。
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