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 パオロ・マッツァリーノ 『反社会学講座(ちくま文庫、2007年)
 
 
 痛快でありながら(データを用いて)真っ当に俗説をぶった切る名著の文庫化。

 単行本を読んだとき以来の再読。

 「最近の若者は」とか「昔はよかった」とか「欧米では」とかいったマスコミ的、説教オヤジ的俗説がかなり論拠の怪しいものだということは、社会問題に興味のある人たちの中ではますます一般的になってきた。(除く:政治家、大企業経営者、マスコミ)

 その点、やはり初読のときの新鮮さは薄れてはいる。

 だけど、やっぱりおもしろい。大爆笑した。

 著者がこの本で見せる笑いのセンス(特に対象の戯画化のうまさ)は、天才的。
 
 
 そんな著者の観察の根底にあるのが、「人間いいかげん史観」。

 いつの時代も、どんな国でも、どんな(年齢や地位の)人でも、人間は、けっこういい加減だし楽しようとするものだ、というもの。

 ( 個々に見れば例外はあるにしても、)残念ながら、これ以上の人類不変の真理があるだろうか? ( これを受け入れているのが、資本主義であり法治国家であり、その対極にあるのが、共産主義でありアナーキズムである。)

 「人間いいかげん史観」による「本当に新しい歴史教科書」ができたら、それはそれでかなり教訓に満ちたものになると思うんだけど、(部分的にでも)実現してくれないものだろうか。
 
 
 ちなみに、文庫化に際して各テーマごとに付け加えられている「三年目の補講」は、内容も大してないし、特におもしろいということもないから、文庫化による付加価値は(値段と持ちやすさ以外には)ほとんどない。

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