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彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾 『 リア王 』 ( 演出:蜷川幸雄/出演:平幹二郎、内山理名、池内博之ほか/2008年1月19日~2月5日/@彩の国さいたま芸術劇場大ホール )
蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品。初。
おもしろーい!
老いぼれた王が、上っ面の甘言を信じて上の2人の娘に全財産をあげてしまう。その一方で、素直なことしか言えない末娘(と素直で忠実な下臣)を勘当してしまう。その後、その報いを受け、王を数々の悲劇が襲う。そして、王はどん底まで落ちていく。そんな悲惨な王を助け(ようとし)てくれたのは素直で忠実な末娘や下臣たちだったが・・・。
なんていうどうってことない話を仰々しい台詞と迫力のある演技でおもしろくしてしまう、シェイクスピアだの、蜷川幸雄だの、平幹二郎だのって人たちはすごい。
休憩挟んで3時間40分という破格の上演時間でも長さを感じさせない。
演劇で久しぶりにプロフェッショナルを感じた。( 演劇界はプライドだけ一人前でやってることは大したことないのが多くて疲れる。演劇だけで飯食える人が少ないからやむを得ないところはあるけれど。)
ただ、シェイクスピアはシェイクスピア。
話自体は凡庸だけどもの凄い迫力で押し切られた、そんな感じであって、(芸術作品に期待される)刺激、新しさ、創造性といったものはあまり感じられない。きっと、毎回違った刺激を得られるタイプのものではない。
だから、高い金を払って他のも色々観てみたい、とまでは思わない。タダ券とか大金とかがあるならば是非観たいとは思うにしても。あるいは、年1回くらいは観たくなるかもしれないけれど。
いわば、純粋な娯楽どまり、といったところ。
とはいえ、もちろん、今回は大変に刺激的な経験を人生に加えることができて大いに満足したところである。