by ST25
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佐和隆光 『この国の未来へ――持続可能で「豊か」な社会』 (ちくま新書、2007年)
確かに佐和隆光は主流派経済学を語る人ではなかったけれど、それにしても、ここまで「暴走」する人だったかなぁとちょっと驚いた。
「地球環境問題をめぐる、一般読者向け著作」らしいんだけど、前半は、現代社会について語ったり、日本型経営システムについて語ったり、教育について語ったりと、なんともまとまりのない印象。
で、後半では(なぜか)地球環境問題に話が収斂している。
前半部はなくても良かった。というかむしろ、ない方が良かった。
「暴走」が特に酷いのが第1章。
それで、その最たるものだと自分が思ったのがここ。
「 なぜ日本経済は、かくも長期間、低迷状態を抜け出せないのだろうか。その答えは明らかだと思う。若者が勤勉でなくなり、努力を怠るようになった国の経済が成長することなど、そもそもあり得ないことではないだろうか。 」(pp34-35)
って、おい!
と、思わず声に出して突っ込みそうになるほど、突拍子もない話だ。
そんなわけで、せっかく温暖化対策の経済的影響について細かい政策の話にまで踏み込んで議論してるのに、ここでの自分の感想のように、前半部の主題とは関係ないところで反発、批判されそうな、戦略ミスが痛い本である。
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