by ST25
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中沢孝夫 『変わる商店街』 (岩波新書、2001年)
「商店街」というと、「シャッター街」とか「規制緩和の犠牲者」とか「弱者」などに見られるようにそれを擁護する主張と、「営業努力をしてない」とか「暗い」とかのようにそれを否定する主張とが、真っ向から対立するトピックである。
この本で著者は、アンケート調査や統計データといったマクロな資料と、個別具体的な事例とを用いて、二項対立のどちらかに与することなく、商店街の現実と可能性とを冷静に描き出している。
著者は中小企業を研究している学者である。これまでの研究対象には、町工場のような国による規制に守られてこなかった中小企業も含まれている。だからこそ、商店街に対しても、甘くもならず冷たくもない視線で分析、叙述することが可能だったのであろう。
大店法によって「包むつもりが引き裂いて」(Mr.Children『掌』)いたというような過ちを二度と繰り返さないためにも、読んでおきたい本である。
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